これは血液悪性腫瘍の評価や血液疾患の評価, 感染症の評価として行われる.
免疫正常のFUO 280名中, 130名に骨髄生検を施行
(Arch Intern Med 2009;169:2018-23)
・130名中, 31名(23.7%)が骨髄生検により診断がついた.
その内25名が悪性疾患.
FUO280名の原因頻度 | |
感染症 | 15.9% |
悪性腫瘍 | 30.3% |
非感染性炎症性疾患 | 40.2% |
その他 | 13.6% |
不明 | 32.8% |
骨髄生検130名の原因頻度 | |
感染症 | 17.7% |
悪性腫瘍 | 28.4% |
非感染性炎症性疾患 | 24.6% |
その他 | 10.7% |
不明 | 18.6% |
生検により診断がついた31名の内訳 | |
血液腫瘍 | 25 |
Non-Hodgkin Lymphoma | 11 |
Hodgkin Lymphoma | 4 |
Acute Leukemia | 4 |
Adult T lymphoma | 3 |
Hairy cell leukemia | 1 |
Burkitt lymphoma | 1 |
Multiple myeloma | 1 |
その他 | 6 |
Systemic mastocytosis | 2 |
Tuberculosis | 2 |
Granuloma | 1 |
Visceral leishmaniasis | 1 |
骨髄生検により,診断がつきそうな因子としては, 以下のようなものがある
Factor | OR | Factor | OR |
脾腫 | 2.55[0.9-7.18] | 持続性の発熱 | 2.84[1.6-12.6] |
貧血, Hb<11 | 3.24[1.13-9.34] | LDH>450IU/L | 1.62[0.57-4.59] |
血小板減少 | 4.49[1.04-9.3] |
FUOで骨髄生検を行った75例のうち20例(26.7%)が生検により診断がついた.
(Mayo Clin Proc.2012;87(2):136-142 )
・骨髄生検による最終診断
FUOにおいて, 骨髄生検が診断に寄与する可能性に関わる因子.
・リンパ節腫大, 男性例, 貧血, LDH上昇例, 高齢者では骨髄生検により診断がつく可能性が上昇する
・B症状がある例(発熱を除く)ではその可能性は低下
Bone marrow score: FUOにおいて, 早期にBMを行う方が良い患者群を評価するスコア
・85例の免疫正常患者におけるFUOでBMを行い, BMが診断に寄与する因子を解析.
・さらに20例でValidationを施行.
・患者群はFUOのクライテリアを満たし, さらに免疫不全因子が否定され(HIVや好中球減少, 薬剤など), 精査目的にコンサルトされた症例.
・上記 85例中BMで血液悪性腫瘍が診断されたのは29例(34.1%)
BMで血液疾患が診断される因子
結果よりBMSを作成
・BMS ≥6点では血液腫瘍の可能性が高く, 早期にBMを行うべき