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2016年8月26日金曜日

不明熱における骨髄生検

不明熱の原因精査において, 骨髄穿刺を行うことがある
これは血液悪性腫瘍の評価や血液疾患の評価, 感染症の評価として行われる.

免疫正常のFUO 280名中, 130名に骨髄生検を施行
(Arch Intern Med 2009;169:2018-23)
・130名中, 31名(23.7%)が骨髄生検により診断がついた.
 その内25名が悪性疾患.
FUO280名の原因頻度
感染症 15.9%
悪性腫瘍 30.3%
非感染性炎症性疾患 40.2%
その他 13.6%
不明 32.8%
骨髄生検130名の原因頻度
感染症 17.7%
悪性腫瘍 28.4%
非感染性炎症性疾患 24.6%
その他 10.7%
不明 18.6%
生検により診断がついた31名の内訳
血液腫瘍 25
 Non-Hodgkin Lymphoma 11
 Hodgkin Lymphoma 4
 Acute Leukemia 4
 Adult T lymphoma 3
 Hairy cell leukemia 1
 Burkitt lymphoma 1
 Multiple myeloma 1
その他 6
 Systemic mastocytosis 2
 Tuberculosis 2
 Granuloma 1
 Visceral leishmaniasis 1

骨髄生検により,診断がつきそうな因子としては, 以下のようなものがある
Factor OR Factor OR
脾腫 2.55[0.9-7.18] 持続性の発熱 2.84[1.6-12.6]
貧血, Hb<11 3.24[1.13-9.34] LDH>450IU/L 1.62[0.57-4.59]
血小板減少 4.49[1.04-9.3]




FUOで骨髄生検を行った75例のうち20例(26.7%)が生検により診断がついた.
(Mayo Clin Proc.2012;87(2):136-142 )
・骨髄生検による最終診断

FUOにおいて, 骨髄生検が診断に寄与する可能性に関わる因子.

・リンパ節腫大, 男性例, 貧血, LDH上昇例, 高齢者では骨髄生検により診断がつく可能性が上昇する
・B症状がある例(発熱を除く)ではその可能性は低下


Bone marrow score: FUOにおいて, 早期にBMを行う方が良い患者群を評価するスコア
・85例の免疫正常患者におけるFUOでBMを行い, BMが診断に寄与する因子を解析.
・さらに20例でValidationを施行.
・患者群はFUOのクライテリアを満たし, さらに免疫不全因子が否定され(HIVや好中球減少, 薬剤など), 精査目的にコンサルトされた症例.
・上記 85例中BMで血液悪性腫瘍が診断されたのは29例(34.1%)

BMで血液疾患が診断される因子

結果よりBMSを作成

・BMS ≥6点では血液腫瘍の可能性が高く, 早期にBMを行うべき