・前部ぶどう膜炎では61%で原疾患を認め, 特にHLA-B27関連のぶどう膜炎が30.5%と多い.
これらには脊椎関節炎やPurely ocular diseaseが入る.
他にはヘルペス 11.4%, HCF(Fuchs' heterochromic cyclititis) 4.5%, JIA(juvenile idiopathic arthritis) 3.4%, サルコイド 2.1%, ベーチェット病 0.9%など
(Orphanet Journal of Rare Diseases 2012, 7:57)
前部ぶどう膜炎における脊椎関節炎(SpA)の評価: DUETアルゴリズム
(Ann Rheum Dis 2015;74:1990–1995.)
前部ぶどう膜炎で, 明らかな原因を認めず, 且つSpAの診断がされていない患者群を対象としたCohort
・明らかな原因: 外傷や眼手術歴, SpA, サルコイドーシス, ベーチェット病, HSV-1, VZV感染症.
・上記を満たす101例(そのうち 42例が最終的にSpAと診断)において, SpAによるぶどう膜炎を評価するアルゴリズムを作成(DUET)
アルゴリズムは前もって作成(test algorithm)し, それを変更しDUET algorithmとし, Validationを行った.
・Validationは別のCohort 72例(そのうち 29例がSpA)において施行.
Test Algorithm
感度 100%, 特異度 53.5%でSpAを示唆する.
・除外には有用であるが, 診断には有用とは言えない.
DUET Algorithm
Development cohortにおいて感度 95%, 特異度 98%, LR+ 56.19, LR- 0.04
Validation cohortにおいて感度 96%, 特異度 97%, LR+ 41.5, LR- 0.03でSpAを示唆する.
それぞれの要素における感度, 特異度
腰痛がある場合はHLA B27を評価し, 陽性ならば脊椎関節炎に伴うぶどう膜炎と診断する.
腰痛があり, HLA B27陰性ならば, 乾癬や脊椎関節炎に矛盾しない所見があれば診断.
それらが認められない場合は除外する.