活動性肺結核患者と接触し, 感染したと考えられた患者群613例において, その後の結核発症率を評価. (CHEST 2016; 149(2):516-525)
・暴露後に感染したと考えられるのは以下の場合で定義.
LTBI conversionを認めた場合
非流行地域, BCG未接種患者でツベルクリン陽性の場合
・潜在性結核(LTBI)の定義はTST≥10mm, もしくはIGRA陽性で定義
・LTBI conversionの定義は, 以前の検査でTST<10mm, IGRA陰性の患者がTST≥10mm, もしくは6mm以上の増大, IGRA陽性化を満たす場合で定義
・接触した時期は, 結核患者より最初に結核が検出された日, 不明瞭な場合は検出された日から6日前と定義.
対象群のデータ
患者は若年が多く, 成人症例も40歳程度まで.
フォロー中に活動性結核を発症したのは67/613(10.9%)
・1650日間(4.5年間)での発症率は11.5%[8.9-14.1]
補正発症率は4.5年間で14.5%[11.1-17.9]の結果.
”感染の定義”と年齢別, フォロー期間中の発症率
・≤14歳の小児例では結核発症リスクが高い.
期間, 年齢別の結核発症率の推移
・暴露から最初の5ヶ月間で発症リスクが高く, その後は横ばい〜やや増加する程度.
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結核暴露後の発症リスクを評価した重要なStudyといえる.
対照群は若年でおもに医療従事者で使用できるデータかもしれない.
高齢者のように免疫が低下している場合はまたリスク高くなることが予測される.
LTBIの治療は,
小児のLTBIではやはり積極的に治療を行った方がよいのかもしれない.
成人例ではルーチンの治療の必要はなく, 免疫抑制剤や化学療法を行う患者群で十分なのでしょう.