覚醒剤中毒 Emergency Medicine Australasia (2008) 20, 391–402
覚醒剤
アンフェタミン, メタンフェタミンなど合成覚醒剤が主流.
アジアでは “シャブ” “スピード” “S” “アイス”と呼ばれる.
覚醒剤の使用はオセアニアやオーストラリアで多い.
アンフェタミン, メタンフェタミンなど合成覚醒剤が主流.
アジアでは “シャブ” “スピード” “S” “アイス”と呼ばれる.
覚醒剤の使用はオセアニアやオーストラリアで多い.
全世界の使用者の2.5%がオセアニアにおり, 3.0%がオーストラリアに居る計算. 全国平均は0.2%
オーストラリアでは一生の内, 男性の7.7%, 女性の4.9%が使用する.
ニュージーランドでは9%が使用する計算.
急性中毒症状による救急受診は全体の1.2%(オーストラリア)
覚醒剤は主にAmphetamine, methamphetamine, 3,4-methylenedioxymethamphetamineがある.
アンフェタミン
オーストラリアでは一生の内, 男性の7.7%, 女性の4.9%が使用する.
ニュージーランドでは9%が使用する計算.
急性中毒症状による救急受診は全体の1.2%(オーストラリア)
覚醒剤は主にAmphetamine, methamphetamine, 3,4-methylenedioxymethamphetamineがある.
アンフェタミン
PD
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methamphetamineよりも交感神経賦活作用が強い
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PK
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VD3-5L/kg, タンパク結合率20%, 代謝; 肝臓30%, 腎排泄 10-13hr.
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投与経路
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粉末, 錠剤の内服, 煙の吸入, 静脈内投与
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メタンフェタミン
PD
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CNS作用, 心血管系作用が最も強い.
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PK
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VD3-7L/kg, 肝代謝, 腎排泄は40-50%程度. 半減期8-12hr
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投与経路
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粉末, 錠剤, 結晶, 液体の経口, 吸入, 静脈内投与
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3,4-methylenedioxymethamphetamine
PD
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交感神経賦活作用は際弱. セロトニン作用を持つ
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PK
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肝代謝35%, CYP2D6で代謝. 腎排泄が65%. 半減期7-9hr
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投与経路
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錠剤が最も一般的.
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覚醒剤の急性中毒症状
CNSの興奮作用, 交感神経賦活作用を示す.
心血管系; 頻脈, 高血圧. 晩期では低血圧となることも.
大動脈解離, MI, 不整脈, 心筋症の原因となり得る.
中枢神経; 興奮, パラノイア, 上機嫌, 幻覚, 易刺激性, 頭蓋内出血, アテトーゼ舞踏様運動, 食思不振, 高体温, 昏睡, 痙攣.
他の交感神経系; 散瞳, 発汗, 振戦, 多呼吸
肺; 非心原性肺水腫, ARDS
消化管; 肝炎, 嘔気, 嘔吐, 下痢, 腸管虚血
代謝; 低Na血症(SIADH), アシドーシス
その他; 筋硬直, 横紋筋融解
心血管系; 頻脈, 高血圧. 晩期では低血圧となることも.
大動脈解離, MI, 不整脈, 心筋症の原因となり得る.
中枢神経; 興奮, パラノイア, 上機嫌, 幻覚, 易刺激性, 頭蓋内出血, アテトーゼ舞踏様運動, 食思不振, 高体温, 昏睡, 痙攣.
他の交感神経系; 散瞳, 発汗, 振戦, 多呼吸
肺; 非心原性肺水腫, ARDS
消化管; 肝炎, 嘔気, 嘔吐, 下痢, 腸管虚血
代謝; 低Na血症(SIADH), アシドーシス
その他; 筋硬直, 横紋筋融解
慢性中毒では,
行動, 精神障害, 拡張型心筋症, 弁膜症, 肺高血圧症, 血管炎を併発.
急性覚醒剤中毒の鑑別診断
行動, 精神障害, 拡張型心筋症, 弁膜症, 肺高血圧症, 血管炎を併発.
急性覚醒剤中毒の鑑別診断
急性中毒への対応
活性炭は経口摂取後1hr以内のみ有効.
静注や吸入には無効. また誤嚥のリスクもあり, 覚せい剤中毒にはあまり有効とは言えない対応法.
Amphetamineは弱塩基性であり, 尿の酸性化は排泄促進に有効だが, 横紋筋融解を惹起する可能性あり, これも非推奨.
拮抗薬は無いため, 症状に応じた対応が必要となる.
主に興奮症状, 高体温, 心血管系への対応が重要.
興奮, 焦燥感への対応 (積極的に治療すべき)
第一選択はベンゾジアゼピン.
Diazepam 2.5-5mg IV, 3-5min毎に繰り返す.
Midazolam 5-10mg 筋注(IVルートが無い場合)
Clonazepam 0.5-1.0mg IV (リボトリール®, ランドセン®)
興奮が幻覚によるものならば,
ベンゾジアゼピン + Droperidol* 2-5mg IVにて治療を.
(*ドロレプタン25mg 注射液®)
痙攣への対応は通常と同じ. 低Na性の除外は重要.
意識障害への対応; 低血糖, 低Na性のチェック, また, 頭蓋内出血除外のCT検査. ABCの確保.
低Na血症; SIADH由来であり, 脱水が無ければ大量補液は控える. 必要に応じて補正.
高体温への対応 (積極的に治療すべき)
ベンゾジアゼピン, クーリングが基本.
他にはNeuromuscular blockade, 5HT2 antagonist; Cyproheptadine* 12mg 経口, 経管投与.(* ペリアクチン 4mg錠®)
横紋筋融解への対応; 補液による尿量確保が基本となる.
静注や吸入には無効. また誤嚥のリスクもあり, 覚せい剤中毒にはあまり有効とは言えない対応法.
Amphetamineは弱塩基性であり, 尿の酸性化は排泄促進に有効だが, 横紋筋融解を惹起する可能性あり, これも非推奨.
拮抗薬は無いため, 症状に応じた対応が必要となる.
主に興奮症状, 高体温, 心血管系への対応が重要.
興奮, 焦燥感への対応 (積極的に治療すべき)
第一選択はベンゾジアゼピン.
Diazepam 2.5-5mg IV, 3-5min毎に繰り返す.
Midazolam 5-10mg 筋注(IVルートが無い場合)
Clonazepam 0.5-1.0mg IV (リボトリール®, ランドセン®)
興奮が幻覚によるものならば,
ベンゾジアゼピン + Droperidol* 2-5mg IVにて治療を.
(*ドロレプタン25mg 注射液®)
痙攣への対応は通常と同じ. 低Na性の除外は重要.
意識障害への対応; 低血糖, 低Na性のチェック, また, 頭蓋内出血除外のCT検査. ABCの確保.
低Na血症; SIADH由来であり, 脱水が無ければ大量補液は控える. 必要に応じて補正.
高体温への対応 (積極的に治療すべき)
ベンゾジアゼピン, クーリングが基本.
他にはNeuromuscular blockade, 5HT2 antagonist; Cyproheptadine* 12mg 経口, 経管投与.(* ペリアクチン 4mg錠®)
横紋筋融解への対応; 補液による尿量確保が基本となる.
尿アルカリ化はAmphetamineの半減期を延長させる.
心血管系イベントへの対応
高血圧ではβ阻害薬は避けるべき.
これもベンゾジアゼピンにて対応する.
また, 血管拡張薬の使用を考慮.(Glyceryl trinitrate, Nitroprusside)
α阻害薬も選択肢に入る.(Prazosin, Phenotolamine)
不整脈でも中期~長期作用型のβ阻害薬は避けるべき.
洞性頻脈では経過観察 or ベンゾにて対応.
SVTではAdenosine, verapamil, flecainide, 除細動など通常と同じ.
心室不整脈では通常の対応を行うべき.
β阻害薬を使用すると, その分α作用が増強し, コントロール不良の高血圧となる可能性があり, 基本的に覚醒剤中毒ではβ阻害薬は使用しない.
降圧は関係のないニトロ系か, α阻害薬が適応となる
高血圧ではβ阻害薬は避けるべき.
これもベンゾジアゼピンにて対応する.
また, 血管拡張薬の使用を考慮.(Glyceryl trinitrate, Nitroprusside)
α阻害薬も選択肢に入る.(Prazosin, Phenotolamine)
不整脈でも中期~長期作用型のβ阻害薬は避けるべき.
洞性頻脈では経過観察 or ベンゾにて対応.
SVTではAdenosine, verapamil, flecainide, 除細動など通常と同じ.
心室不整脈では通常の対応を行うべき.
β阻害薬を使用すると, その分α作用が増強し, コントロール不良の高血圧となる可能性があり, 基本的に覚醒剤中毒ではβ阻害薬は使用しない.
降圧は関係のないニトロ系か, α阻害薬が適応となる