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2021年2月19日金曜日

ANCA関連血管炎のステロイドフリー治療: Avacopan

Avacopanは経口投与可能なC5α受容体拮抗薬.

AAVではC5aC5a受容体が血管壁の炎症に強く関連しておりC5a受容体阻害薬はAAVの治療に有用な可能性が示唆されてきた.

2017年にCLEAR trialでAAVに対するAvacopan vs PSLで比較した小規模RCTが発表されたが, Avacopan単独でPSLと同等の寛解維持効果が得られた報告であった.(J Am Soc Nephrol 28: 2756–2767, 2017)

今回N=330の規模のRCTが発表: ADVOCATE trial

ADVOCATE: 初発例, 再発例のGPA, MPA患者で, CYC(その後AZA), RTXで治療が適応となる患者群を対象.

(N Engl J Med 2021;384:599-609.)

・PR3-ANCA, MPO-ANCAが陽性となり, eGFR≥15mL/min/1.73m2, BVAS score ver.3において, 大項目1つ以上, 非大項目3つ以上, または腎の項目が2つ以上を満たす(血尿, 蛋白尿).

・除外項目は4wk以内に合計3g以上のIVグルココルチコイドを使用, PSL 10mg/d以上を6wk以上継続している群

・対称患者ではStudy前に使用していた免疫抑制療法は全て中止とした

 スクリーリニング期間にPSL ≤20mg/dまで減量し, 4wk以内に終了

・上記を満たす患者群をCYC, RTXを使用しつつ,

 Avacopan 30mg 12回内服群

 PSL経口投与, Tapering群に割り付け, 再燃リスクを比較

  PSL60mg/dで開始され, 20wkOffまで減量する

・両群ともレスキューとしてステロイドパルス, 経口PSLを使用可能

CY, RTXレジメは

・IVCY 15mg/kg(最大1.2g)Day 1, wk 2, 4, 7, 10, 13

 POCY 2mg/kg/d(最大200mg)14wk

 RTX 375mg/m2/wk4wk

・CY群では15wkから経口AZA 2mg/kg/dに切り替え継続

RTXは追加投与なし

母集団

・PR3-ANCAMPOは半々程度

GPAMPAも半々程度

・臓器障害は腎臓が8肺が4

RTX治療が2/3

アウトカム


・26wkにおける寛解維持率は両者で有意差なし

52wkではAvacopanで有意に良好: AD 12.5%[2.6-22.3]

・GTI(GC toxicity Index)Avacopan群でより軽度となる

副作用頻度

・副作用にて薬剤中断したのはそれぞれ15.7%, 17.7%

・感染症はステロイドで多い印象

・肝障害は5.4%, 3.7%