Avacopanは経口投与可能なC5α受容体拮抗薬.
AAVではC5aやC5a受容体が血管壁の炎症に強く関連しており, C5a受容体阻害薬はAAVの治療に有用な可能性が示唆されてきた.
2017年にCLEAR trialでAAVに対するAvacopan vs PSLで比較した小規模RCTが発表されたが, Avacopan単独でPSLと同等の寛解維持効果が得られた報告であった.(J Am Soc Nephrol 28: 2756–2767, 2017)
今回N=330の規模のRCTが発表: ADVOCATE trial
ADVOCATE: 初発例, 再発例のGPA, MPA患者で, CYC(その後AZA), RTXで治療が適応となる患者群を対象.
(N Engl J Med 2021;384:599-609.)
・PR3-ANCA, MPO-ANCAが陽性となり, eGFR≥15mL/min/1.73m2, BVAS score ver.3において, 大項目1つ以上, 非大項目3つ以上, または腎の項目が2つ以上を満たす(血尿, 蛋白尿)群.
・除外項目は4wk以内に合計3g以上のIVグルココルチコイドを使用, PSL 10mg/d以上を6wk以上継続している群
・対称患者ではStudy前に使用していた免疫抑制療法は全て中止とした
スクリーリニング期間にPSL ≤20mg/dまで減量し, 4wk以内に終了
・上記を満たす患者群をCYC, RTXを使用しつつ,
Avacopan 30mg 1日2回内服群
PSL経口投与, Tapering群に割り付け, 再燃リスクを比較
PSLは60mg/dで開始され, 20wkでOffまで減量する
・両群ともレスキューとしてステロイドパルス, 経口PSLを使用可能
CY, RTXレジメは
・IVCY 15mg/kg(最大1.2g)をDay 1, wk 2, 4, 7, 10, 13
POCY 2mg/kg/d(最大200mg)を14wk
RTX 375mg/m2/wkを4wk
・CY群では15wkから経口AZA 2mg/kg/dに切り替え継続
・RTXは追加投与なし
母集団
・PR3-ANCAとMPOは半々程度
・GPAとMPAも半々程度
・臓器障害は腎臓が8割, 肺が4割
・RTX治療が2/3
アウトカム
・26wkにおける寛解維持率は両者で有意差なし
・52wkではAvacopanで有意に良好: AD 12.5%[2.6-22.3]
・GTI(GC toxicity Index)はAvacopan群でより軽度となる
副作用頻度
・副作用にて薬剤中断したのはそれぞれ15.7%, 17.7%
・感染症はステロイドで多い印象
・肝障害は5.4%, 3.7%