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2020年10月6日火曜日

補液反応性の評価とアウトカムを比較したRCT

 重症患者における補液反応性についてはこちらも参照

参照①

参照②

この分野はRCTがほぼないが, 今回ChestよりPLR(passive leg rising)を使用したRCTが発表 要チェックです

(CHEST 2020; 158(4):1431-1445)

敗血症による低血圧を認める患者を対象としPLRを用いた輸液反応性を評価して蘇生する群と通常の管理群に割り付け, 補液量や臨床アウトカムを比較したOpen RCT.

・患者は感染症で, SIRS基準2項目異常を満たし, ICU管理が予定されている患者群で, さらに1L以上3L未満の補液を行ってもMAP≤65mmHgの治療抵抗性低血圧を有する群.

除外項目は, すでに>3Lの補液を行なっている群, DNAR, 活動性の出血, 転院症例, 急性脳血管イベント, ACS, 急性肺水腫, 喘息重積, 主要な不整脈, Overdose, 熱傷, 外傷, てんかん重積, 緊急手術適応例, PLR(passive leg rising)禁忌, 妊婦, 投獄例

・補液反応性の評価は,

 PLRを行い, SV10%以上増加すれば反応性ありと判断し, 外液500ml投与

 投与毎にPLRを評価する.

 SV変化が10%未満では反応性無しと判断し, 昇圧薬を増量.

 NA 0.1µg/kg/min増量毎に再度評価する

(本文には1µg/kg/minと記載があるが, おそらくは誤植かと)

母集団


アウトカム


・補液量は有意にプロトコール群で少なく透析, 人工呼吸器使用率は有意に減少する

・自宅退院も多い

死亡率は19.6% vs 20.8%有意差無し

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PLRで補液反応性を評価し, 補液を行う/控えることで予後は変えずに補液量を減らすことが可能であり, その結果透析や人工呼吸器管理リスクを低下させることが可能.

自宅退院率も上昇させる.

近年, 補液しすぎも毒であるとの見知がわかり, 広がってきている. 僕が研修医の時は補液しなさすぎで毒であった. 時代の変遷を感じる.

必要な人に必要な分の補液を行う, ということが重要であり, そこは一つの職人芸ともいえる. 様々な指標を理解しておき, 患者毎に考えるのはHospitalist好みなところではある.