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2020年10月29日木曜日

超高齢者のAfにおけるエドキサバンの少量投与

 (N Engl J Med 2020; 383:1735-1745)

ELDERCARE-AF: Low-dose EdoxabanStudy

・80歳以上の日本人の, 非弁膜症性のAf患者で通常投与量の抗凝固療法が適応困難*と判断された患者を対象.

 CHADS2スコア≥2

 *CCr 15-30mL/min/1.73m2, 消化管や致命的な臓器での出血エピソード, 低体重(≤45kg), NSAIDの継続投与, 抗血小板薬の併用など

・上記を満たす患者群 984例を,

 Edoxaban 15mg/d vs Placeboに割り付け, 血栓症リスク, 出血リスクを比較

母集団


アウトカム


・脳梗塞リスクは有意に低下: HR 0.31[0.16-0.59], NNT 24

 脳出血は差は認めず.

 全身の塞栓症は有意差なし

Major bleedingのうち, 消化管出血リスクは有意に上昇する: HR 2.85[1.03-7.88], NNH 67

・Major, clinically relevant nonmajor bleedingは有意に上昇: HR 1.65[1.20-2.27], NNH 14 

全出血リスク NNH 5.6

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80歳を超える超高齢のAf患者では, 半量のEdoxabanでも十分な脳梗塞予防効果が見込めるものの, 出血リスクの上昇も顕著.

Major bleedingでは消化管出血がNNH 67. 脳梗塞予防のNNT 24と比べると軽いとは言えるが, 何かしらの出血は起こると考えておいた方が良い(全出血 NNH 5.6)

適応をしっかりと患者毎に吟味すれば, 良い選択となるかも