CAPE COVID: COVID-19肺炎でICU管理となった患者群を対象とし, Hydrocortisone vs Placeboに割り付け, 治療失敗リスクを比較したDB-RCT@フランス
(JAMA. 2020;324(13):1298-1306. doi:10.1001/jama.2020.16761 )
・患者はPCRで陽性, または画像所見にてCOVID-19肺炎が強く疑われる成人症例で, 以下の4項目中1つ以上を満たす重症例を対象
> 人工呼吸器管理(PEEP≥5cmH2O)を必要とする
> FiO2 ≥0.5の高流量O2を使用し, P/F<300
> リザーバーマスクを使用している場合でP/F<300が予測される
> PSI>130
・鎮静より低血圧を生じ, 昇圧薬を使用している患者は許容
・Hydrocortisone 200mg/dで持続投与を行い, 7日間継続
その後は100mg/dを4日間, 50mg/dを3日間. 合計14日間
・Day 4に呼吸状態が改善すれば, 200mg/dを4日, 100mg/dを2日, 50mg/dを2日間の短期投与レジメを使用する
母集団
アウトカム
・21日における治療失敗リスクは有意差なし
ただし, 人工呼吸器使用率は減る傾向がある.
・有意差はないが死亡リスクも低下する傾向
REMAP-CAP: COVID-19感染症でICU管理となった患者群をランダムで1つ以上の治療薬に割り付けたRCT. 抗ウイルス薬, ステロイド, 免疫グロブリンなど.
・このうち, Hydrocortisoneに割り付けられた患者群を評価(JAMA. 2020;324(13):1317-1329. doi:10.1001/jama.2020.17022 )
・患者はCOVID-19感染症で, 呼吸サポート, 循環サポートのため, ICU管理となった成人症例
呼吸サポートの定義: 侵襲/非侵襲的人工呼吸器管理, High flow(30L/分以上)の酸素投与.
循環サポートの定義: 強心薬, 昇圧薬の経静脈投与
・Hydrocortisoneは固定量群, Shock離脱までの投与群, 非投与群で比較
固定量: 50mg q6hを7日
Shock離脱まで: 上記をShock離脱, または最大28日
母集団
アウトカム
・Hydrocortisoneの投与により, Organ support-free daysが改善する可能性はそれぞれ93%, 80%ある
・初期に挿管管理されていない患者での評価では, Hydrocortisone使用により99%の確率でさらに増悪する(挿管, ECMO, 死亡)リスクを減らすことが可能(固定投与群).