(Lancet Respir Med. 2020 Feb 7. pii: S2213-2600(19)30417-5. doi: 10.1016/S2213-2600(19)30417-5. Dexamethasone treatment for the acute respiratory distress syndrome: a multicentre, randomised controlled trial.)
スペインの17 ICUにおけるRCT.
・中等度~重症ARDS*を対象とし, 通常のICU管理(Lung-protective ventilationを含む)に加えてDexamethasone 20mg/dをDay 1-5, 10mg/dをDay 6-10に投与する群と通常の管理群に割り付け, 28日における呼吸器離脱, 死亡リスクを比較
・ステロイドは割り付け後速やかに投与. ARDS発症3日を超えない
・*ARDS発症24hにおけるPEEP 10cmH2OもしくはFiO2 ≥0.5でP/F <200
ARDSの診断はAmerican-European Consensus Conference criteria, Berlin criteriaを満たす群
・除外項目は妊婦, 授乳婦, 脳死, 終末期, DNAR, ステロイドや免疫抑制療法が必要な患者, 重度のCOPD, CHF
母集団
・N=277の時点で導入を終了(予定の88%)
アウトカム
・人工呼吸器離脱期間は有意にDexamethasone群で長い:
抜管までの期間は5日程度短縮
・60日死亡リスクも有意に低下する結果
Dexamethasone投与期間中のパラメータの変化
・投与群では, SOFAスコアの低下, 呼吸回数, プラトー圧の低下, P/F比の改善が認められる
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ARDSに対するステロイドは今までに小規模の報告が散見されるのみ.
呼吸器管理期間の短縮効果は認められていたものの, 死亡リスク軽減効果は明らかではなかった.
今回のRCTでは, 中等度以上のARDS早期症例(発症〜3日)におけるステロイドは呼吸状態や予後を改善させ得ることを示唆.