ガバペンチンでは, アルコール減量, 禁酒に伴う飲酒の渇望感, 睡眠の質, 抑うつ症状(C)の軽減効果が期待でき, その結果アルコール依存症例における減酒や禁酒成功率を上昇させることが示唆されている.
その効果を評価した新しいRCTが発表
Efficacy of Gabapentin for the Treatment of Alcohol Use Disorder in Patients With Alcohol Withdrawal Symptoms
A Randomized Clinical Trial. JAMA Intern Med. doi:10.1001/jamainternmed.2020.0249
A Randomized Clinical Trial. JAMA Intern Med. doi:10.1001/jamainternmed.2020.0249
アルコール依存患者を対象とし, Gapapenの効果を評価したRCT
・患者は18歳以上で5 drinks/d以上の飲酒習慣ある群を対象.
他の薬物依存症例は除外(ニコチン以外).向精神病薬使用例(抗うつ薬を除く), 大うつ病, 躁うつ病, 精神疾患も除外
基礎疾患がある場合は安定していることを確認.
女性では妊婦や授乳婦は除外
・またアルコール振戦せん妄症例や, CIWA-Ar ≥10となる症例は除外
(CIWA-Ar≥10は中等度離脱症状で, 入院を必要とする病態)
・上記を満たす患者群で, さらに3日間の飲酒中断を経た群を, Gabapentin投与群 vs Placebo群に割り付け, 16wk継続
・禁酒成功, 飲酒量, 症状をフォローした.
Gabapentin投与量は以下
・初日 300mgを眠前.
2日目 300mg bid(朝, 眠前)
3-4日目 300mg tid(朝, 昼, 眠前)
5-112日 300mgを朝, 昼, 600mgを眠前. 合計1200mg/d
母集団
アウトカム
・Heavy drinking days (女性で4 drinks/d, 男性 5drinks/d以上)はGabapentinで有意に減少
・禁酒成功もGabapentin群でおよそ2割で成功
一方でPlaceboでは4%のみ.
・AWSC(アルコール離脱症状の程度を0-44ptで評価)が高い症例ほど, Gabapentinによる減酒効果が期待できる
・低い症例ではPlaceboと有意差はない
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離脱症状が出現するようなアルコール依存患者において, ガバペンチンの併用は有意な飲酒量の減量, 禁酒成功率を上昇させる.
このStudyは外来ベースであるが, 入院するような離脱症例でもベンゾジアゼピンの使用量を減らせるという報告はあり.
早期に導入し, 外来でしばらく維持, というのも良さそうではある.