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2016年4月17日日曜日

閉塞性肺炎 Postobstructive pneumonia

Clinical Infectious Diseases® 2016;62(8):957–61

閉塞性肺炎(Postobstructive pneumonia)は気管支の閉塞があり, それよりも末梢で生じる肺炎.
・主に悪性腫瘍に伴うもので, 市中肺炎の2-5%で認められる.
・細菌感染症の関与については未だ明確な結論はない.
 関連しているというエキスパートもいれば, 関係ないとしているものもいる.
 基本的には市中肺炎に則り, 抗生剤を使用する例が多い.

2011年7月〜2012年6月にヒューストンの病院で入院した市中肺炎 259例を対象とした前向きStudy.
・閉塞性肺炎は14例(5.4%)で認められた.

さらに1年間観察し, 閉塞性肺炎症例30例を抽出し, 細菌性市中肺炎 60例と比較した
・市中肺炎入院患者のうち, 4wk以内の入院歴や, 長期施設での寝たきり患者, 誤嚥のエピソードがある患者は除外し, 残りの60例を比較対象

患者背景

・年齢や性別, 喫煙歴, COPDの有無など背景疾患には有意差なし.

症状, 所見の比較
・閉塞性肺炎の方がより症状持続期間が長い
・体重減少を伴う頻度も高い
 喀痰は少なく, 血痰の頻度は高い
・バイタルサインでは,発熱を伴うのは1/3のみ.

検査所見
・白血球増多は少なく, 幼若白血球増多も少ない
・プロカルシトニンも低値となる
・画像検査では空洞病変を伴う頻度が高い
・肺炎重症度(PSI)は同じだが, 30日死亡率は高い.

閉塞性肺炎 30例のうち, 細菌の関与が照明されたのは3例(10%)のみ.
・喀痰培養, 血液培養, レジオネラ抗原, 肺炎球菌抗原など
・閉塞の原因は肺小細胞癌が15例, 肺腺癌が8例, 扁平上皮癌 5例

他の報告における細菌検出の頻度
・他の報告でも, 細菌感染の関与は少ない.
 発熱がある症例では6-8割で細菌感染を認めるが, Nが少なくなんとも言えず.

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閉塞性肺炎はたまに診断することがあります.
すでに肺癌の診断がついている患者での診断や, 初診であることもあります

結局抗生剤を使用してしまうのですが, 効果のほどはよくわかりません.
かといって明確な指針もなく, 結構困りますよね. 
そもそも死亡率も高いですし(これは原疾患にも関連すると思いますが), それで抗生剤を処方しない場合, あとからいろいろと後ろからも狙撃されそうな案件になる怖さもあります.

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