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2016年4月11日月曜日

悪性腫瘍に合併するウェルニッケ脳症

ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症 といえばアルコール関連を連想する.
現にビタミンB1欠乏症の原因の12.5%が慢性のアルコール中毒という報告がある(Lancet Neurol 2007; 6: 442–55). 他にはHIV感染症が10%と多い.

アルコール関連以外のウェルニッケ脳症の基礎疾患を評価した報告では,
悪性腫瘍を基礎疾患としてもつのが18%,
・消化管手術歴がある患者が16.8%
 と, 悪性腫瘍に関連したウェルニッケ脳症も多い.
(European Journal of Neurology 2010, 17: 1408–1418)

2016年のReviewでは, 悪性腫瘍に伴うWernicke脳症の報告は90 reports, 129例.
(Lancet Oncol 2016; 17: e142–48)
・報告は年々増加傾向

悪性腫瘍に伴うWernicke脳症 症例の解析
悪性腫瘍では血液腫瘍と消化管腫瘍で多い
・化学療法はFluorouracilを含むレジメでの報告が多い
 化学療法〜発症までは2週間程度

悪性腫瘍に伴うWernicke脳症の症状頻度
・多い症状は意識障害, 変容, 眼振, 四肢失調など.
無気力感や頭痛, 脱力感といった非特異的症状もあるため, 常に念頭に置いておくべき鑑別診断である.
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近年 報告が増加してきていること,
その報告している1st authorは神経内科医が多く, 実際患者を主に見ている血液内科医や腫瘍内科医が少ない事から, あまり注意して見られていないのでは, と推測されています.

確かに化学療法中の食欲低下はありますし, 多少の不調や不定愁訴は薬剤性, 腫瘍によるうつ症状とか考えてしまいがちな印象もあります.

注意が必要ですね

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