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2016年4月16日土曜日

抗凝固療法中の脳出血

抗凝固療法の合併症として脳出血は重要。

脳出血患者においてINR >2.1で死亡Riskは上昇する (Neurology 2008;71:1084-89)
INR 1.2-2.0 RR 1.4[0.8-2.4]
INR 2.1-3.0 RR 3.3[1.7-6.6]
INR >3.0 RR 2.0[1.0-3.7]

経口抗凝固薬を使用して脳出血をきたした1176例のRetrospective study. 
(JAMA. 2015;313(8):824-836.)
 INRリバースと降圧と血腫拡大、予後の関連性を評価.

INR <1.3の達成までの時間と血腫拡大リスクの関係
 来院4時間以内にINR<1.3を達成できた群では血腫拡大リスクが少ない.

また来院4時間以内にsBP<160mmHgを達成できた群でも有意に血腫拡大リスクが少ない.
 INRとsBP双方とも達成できた群では院内死亡率も有意に低下した OR 0.60[0.37-0.95]

リバースの方法としてはビタミンK, PCC, FFPがあるが、
同じく経口抗凝固薬を使用中でINR≥1.5の状態で脳出血をきたした55例のRetrospective cohortでは、2時間以内にINR≤1.4を達成できた割合はPCC群で83.8%、FFP群で38.8%、ビタミンK群で0%という結果であった。 (Stroke 2006;37:1465-70)
時間経過とINRの変化
時間経過
PCC
± FFP or Vit K
(n=31)
FFP
± Vit K
(n=18)
Vit Kのみ
(n=6)
0 hr
4.3(2.4)
3.8(1.9)
4.2(2.0)
1.5 ± 1.0 hr
1.4(0.4)
2.1(1.1)
3.9(1.8)
4.1 ± 1.1 hr
1.3(0.3)
1.8(0.6)
12.6 ± 2.8 hr
1.3(0.1)
1.4(0.3)
3.0(1.7)


(2016年4月追記)
ワーファリン使用中に脳出血を発症した患者におけるリバース方法の効果を比較したRCT
INCH trial: ワーファリンによる脳出血患者を対象としたopen-label, endpoint-blinded RCT.
(Lancet Neurol 2016; 15: 566–73)
・患者はワーファリンを使用中に脳出血を発症した成人症例で, 発症12時間以内に来院し, INR ≥2.0を満たす群
・除外項目: 外傷性, 二次性ICH, GCS≤5, 急性虚血イベントの合併, うっ血性心不全の合併, 30日以内の血栓症の既往, 肝不全(Child-Pugh C), mRS>2.

初回CT評価後1時間以内にFFP(20mg/kg)投与群 vs. 4F-PCC 30IU/kgに割り付け, 投与.
・アウトカムは治療開始3時間後のINR≤1.2達成率を比較した.
・全例でビタミンKを使用し, 3時間の時点でINR>1.2の群ではレスキューとしてPCCを併用.

母集団

アウトカム
・INRリバース効果は有意に4F-PCC群で良好
・死亡リスクや神経予後は両者で有意差なし.

・INR≤1.2達成までの時間は4F-PCC群で40分, FFPでは1482分: 1日かかる.
・血腫拡大は有意に4F-PCC群で少ない結果.

合併症
・有意差はないものの, 4F-PCC使用群では血栓症も多い傾向があるため注意.

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