(Medicine 94(39):e1562) より肺炎球菌性心内膜炎 111例のまとめ
肺炎球菌はIEの原因菌としては稀であり, まずIEの原因菌の鑑別には出ない.
肺炎球菌の菌血症でもIEは普通は考えない.
肺炎球菌によるIE 111例を解析(コホートより24例, 症例報告より87例)
・スペインのコホートでは、肺炎球菌性のIEは全IEのうち0.86%(24例)のみ。
・発症年齢の中央値は51歳[26-63], 15歳未満が20.7%を占める
・スペインのコホートでは、肺炎球菌性のIEは全IEのうち0.86%(24例)のみ。
・発症年齢の中央値は51歳[26-63], 15歳未満が20.7%を占める
・市中感染症が96.4%
基礎疾患
・心疾患(+)群が16.2%のみ.
・ Native valveが93.7%
・基礎疾患で多いのは肝疾患(27.9%), 免疫不全は10.8%, 脾摘後/無脾が8.1%
臨床症状
Austrian syndromeは肺炎球菌性の肺炎、髄膜炎、心内膜炎を呈する症候群
Vascular phenomenaは塞栓症による膿瘍、虚血、感染性動脈瘤などを呈する病態
培養による菌体の検出感度
非常に稀ではあるものの、肺炎球菌性髄膜炎や、肺炎+関節炎合併例などでは心臓も見ておいたほうがよいのかもしれない。
特徴
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年齢
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51歳[26-63]
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男性例
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64%
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Native valve
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93.7%
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Ao弁
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53.2%
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M弁
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40.5%
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T弁
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12.6%
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複数
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13.5%
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基礎疾患
基礎疾患
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肝疾患
アルコール性 C型肝炎 その他 |
27.9%
19.8% 4.5% 2.7% |
免疫不全
HIV/AIDS 悪性腫瘍 臓器移植後 |
10.8%
5.4% 3.6% 0.9% |
脾摘/無脾
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8.1%
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心疾患
先天性 弁膜症 IEの既往 |
18%
9.9% 7.2% 5.4% |
COPD
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7.2%
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違法薬剤(IV)
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3.6%
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・ Native valveが93.7%
・基礎疾患で多いのは肝疾患(27.9%), 免疫不全は10.8%, 脾摘後/無脾が8.1%
臨床症状
症状/所見
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発熱
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71.2%
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髄膜炎
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40.5%
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心雑音
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55%
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CNS塞栓症
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13.5%
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肺炎
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45.9%
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心不全
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33.3%
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髄膜炎
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40.5%
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CNS以外の塞栓
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27.9%
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Austrian syndrome
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26.1%
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Vascular phenomena
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4.5%
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脾腫
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2.7%
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死亡
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20.7%
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Vascular phenomenaは塞栓症による膿瘍、虚血、感染性動脈瘤などを呈する病態
培養による菌体の検出感度
症状/所見
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血液培養陽性
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84.7%
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CSF培養陽性
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33.3%
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弁培養陽性
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21.2%
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呼吸器検体培養陽性
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12.2%
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関節液培養陽性
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6.1%
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他
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6.1%
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非常に稀ではあるものの、肺炎球菌性髄膜炎や、肺炎+関節炎合併例などでは心臓も見ておいたほうがよいのかもしれない。