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2014年1月18日土曜日

感染症と蕁麻疹

Allergology International. 2012;61:517-527
蕁麻疹は最も多い皮疹の1つ.
血管拡張と透過性亢進, 掻痒感を呈する病態で, 通常数時間で改善する経過をとる.
肥満細胞の脱顆粒によることは知られているが, 何故それが起きるのかは不明な部分が多い.

感染症に伴う蕁麻疹もあり, 以下の感染症との関連が報告されている.
Allergy, Asthma & Clinical Immunology 2009, 5:10
細菌感染症;
 ウイルス, 寄生虫感染症;
急性蕁麻疹が一般的であるが, 6週間以上持続する慢性蕁麻疹に関連する感染症として, ピロリ感染, Strept, Staph, HCV感染症がある.

Helicobacter pylori感染も慢性じんま疹の原因となる
Indian J Med Sci 2008;62:157-162
慢性特発性じんま疹 67例と, 年齢, 性別をマッチさせたControl群でHP感染を評価.
慢性じんま疹群では, 48/67 (70.58%)がHP陽性
Control群では67.64%がHP陽性であり, 有意差は無し(p=0.284).

除菌療法を施行したのは48例. 除菌成功した46例中, 21例で慢性じんま疹は改善, 18例で軽快を示した.

11例のHP感染 + 慢性じんま疹患者で除菌療法施行し,
有意に症状が軽快, 改善した報告もある. 
このとき小腸細菌過増殖症候群(SIBO)+慢性じんま疹例でも除菌を試みたが, その群では改善は乏しかった.
Acta Derm Venereol 2013; 93: 161–164.

ピロリ感染と慢性じんま疹の機序は
胃粘膜透過性が亢進し, アレルゲンがより体内へ取り込みやすくなる
ピロリに対する特異的IgEが他に作用する
ピロリによる免疫賦活効果が関連する, 等色々説がある. 
Eur J Dermatol 2009; 19 (5): 431-44

ただし, 慢性じんま疹患者へのピロリ菌除菌については未だEvidenceレベルの低いStudyのみであり, ルーチンとして感染チェック, 除菌をするには調査が足りない.
現時点では小規模のDB-RCTが1つ, 他はObservational studyのみ.
Curr Opin Allergy Clin Immunol 2010;10:362–369

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一般外来をやっていると, 慢性蕁麻疹は結構内科受診しています.
その際色々とチェックしますが, どれも引っかからない場合も多々あり.
ストレスとか, 疲れとか, 環境変化とかで片付けてしまうこともあると思います(Idiopathic).

まだEvidenceは不十分ですが, ピロリ感染の多い日本で, 慢性蕁麻疹で特に原因が見つからない場合はダメもとで調べても良いかもしれません.

ちなみに, 日本の蕁麻疹診断アルゴリズムを紹介します.
Allergology International. 2012;61:517-527

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