(N Engl J Med 2022;386:316-26.)
ORAL Surveillance: 50歳以上のRA患者で, MTXでも活動性が抑えられなく, 1項目以上の心血管イベントリスク因子*を有する患者を対象とし, Tofacitinib vs 抗TNF阻害薬を比較したOpen-label, 非劣性RCT.
*リスク因子は表の通り:
喫煙 |
高血圧 |
HDL-Chol<40mg/dL |
糖尿病 |
若年での冠動脈疾患の家族歴 |
関節外のRA症状 |
冠動脈疾患既往 |
・除外項目: 担癌患者(既往含む, 適切に治療されたnon-melanoma skin cancerは除外)
・上記を満たす患者群を,
Tofa 5mg bid vs 10mg bid vs TNF阻害薬(ADA 40mg/2wk or ETN 50mg/wk)に割り付け,
MACE, 悪性腫瘍リスク, 感染症リスクなどを比較.
・MTXは継続.
・2014年3月に導入開始され, 2019年2月にTOF 10mg bid群でTNF阻害薬と比較して肺血栓塞栓症の頻度が高く, 死亡リスクも上昇したため, 以後は5mg bidに統一されている.
母集団: 6559例がスクリーニング, 4362例が導入
アウトカム(中央フォロー期間4年間): MACE
・MACE発症率は3.4% vs 2.5%と, TofaはTNF阻害薬と比較して 非劣性を示せず.
・5.5年間では, MACEは5.8% vs 4.3% , 非致死性MIは 2.2% vs 0.7%
・Sub解析では 65歳以上の高齢者で 特にMACEが多い.
・MACE: 心血管死亡, MI, Stroke
悪性腫瘍リスク: Tofa 5mg, 10mg bid群で有意にリスクが上昇
・4年間の発症頻度は 4.2% vs 2.9%
・5.5年間では, 6.1% vs 3.8%
・最も多かった悪性腫瘍はTofa群で肺癌, TNF阻害薬群では乳癌.
他のアウトカム
・重大な感染症はTofa 10mg bidで上昇: HR 1.48[1.17-1.87]
日和見感染症はTofa 5mgで1.82[1.07-3.09], 10mgで2.17[1.29-3.66]
帯状疱疹はTofa 5mgで3.28[2.44-4.41], 10mgで3.39[2.52-4.55]
・他に肝障害リスクの上昇, 肺血栓塞栓症リスクの上昇が認められる.
PEは特に10mg bidで特にリスクが高い.
SDAIスコアの変化. どの群も同等の効果が期待できる