ドイツのRA患者のCohort, RABBITのデータを解析 重大な感染症合併リスクを評価した報告
(Ann Rheum Dis 2011;70:1914–1920.)
・2001-2006年にbDMARDまたはcsDMARDを使用開始した患者を導入し, 前向きにフォロー
・非抗TNF阻害薬による治療開始後の経過観察機関は除外.
また, アナキンラの使用, ベースラインデータのみの患者も除外
・フォローにおける感染症合併リスクを評価
抗TNF阻害薬に関連した感染症は, 感染症の発症から3ヶ月以内に使用している場合に定義(継続しているか, 3ヶ月以内のcsDMARDの切替例が含まれる)
対象集団
重大な感染症の頻度
・開始後2年間は抗TNF阻害薬でリスクは有意に上昇
3年目では有意差を認めない
開始後2年までの重大な感染症のリスク因子
・高齢者, 慢性肺疾患, 治療失敗回数>5回,
GC 7.5mg/d以上の使用
抗TNF阻害薬の使用などは有意なリスク.
リスク因子による重大な感染症合併リスク
・GC量と抗TNF阻害薬の使用は強いリスク因子となる
このデータより, RA患者における重大な感染症リスクを評価するRABBIT scoreが提唱
RABBIT risk scoreの計算
https://biologika-register.de/en/rabbit/rabbit-risk-score-of-infections/
(Ann Rheum Dis 2014;73:1673–1676.)Validation studies
RABBIT cohortの2009-2012年に登録された患者群で 前述のRABBIT risk scoreを評価.
(Ann Rheum Dis 2014;73:1673–1676.)
・1522例のRA患者においてRABBIT scoreを評価し, 実際の重大な感染症の頻度と比較
・一致性は良好
RA患者1557例において, RABBIT scoreを評価したExternal validation
(Rheumatology 2021;60:2223–2230)
・ギリシャにおけるprospective RA cohort.
RABBIT scoreによる重大な感染症リスクの予測と 実際の合併率(導入から1年以内)の相関性を比較した.
・重大な感染症の定義: 入院が必要な感染症, 抗菌薬IVが必要な感染症, 日和見感染症(VZVやTB含む).
・RABBIT scoreはデータが利用できた1359例で評価された.
・重大な感染症は38例. 2.3/100pt-y
観測された重大な感染症頻度と RABBIT scoreにて予測されたリスク
・score 1-2ではリスクは予測よりも低い傾向 それ以外はおおよそ同じ感じ
このCohortにおける重大な感染症合併リスク因子
・罹患期間, 重大な感染症の既往, PSL ≥10mg/dの使用 糖尿病, 慢性肺疾患