(Rheumatology 2021;60:3156–3164)
筋骨格系の疼痛を認めるが, 臨床的滑膜炎所見(-),
且つACPA陽性例(第二世代)における, 手指関節XP所見とその後の炎症性関節炎への進行リスクを評価.
・CCP studyの患者群を評価:
Primary careで, 腰痛や腱板腱炎, 手根間症候群など筋骨格系症状が認められた患者群において, ACPAを評価し, 陽性例(CCP+ at-risk)を前向きに炎症性関節炎(IA)発症までフォローしたStudy.
・IAは1箇所以上の滑膜炎所見で定義.
・ACPAは第二世代. <3ULNをLow, ≥3ULNをHigh titerとした.
・上記を満たす患者群において, 手指, 足XPを評価し, 骨びらんの有無とその後のIA発症リスクへの関連も評価.
・臨床的滑膜炎所見, DMARDsの使用/使用歴, IA診断が既にされている患者群は除外
母集団
・手足の疼痛はそれぞれ32%, 22.5% 早朝の強ばりは10分程度[0-30]
・ACPAはHigh-titerが7割 RF陽性は37.5%
アウトカム: 骨びらんの頻度
・CCP+ at-risk群において, XPにおける骨びらん所見は17例(4.1%)で認められた.
手関節が2/17, MCP 4/17, PIP 4/17, DIP 4/17,
中足(TMJ) 1/17, MTP/IP 10/17と, 足指での所見が多い.
・XP骨びらん(+)の17例において, IAに進行したのは 7/17(41.2%)[フォロー期間中央値 132日(101-253) ]
10/17(58.8%)はフォロー期間中央値 628日[327.8-2017.8]で進行を認めず.
アウトカム: IAへの進行リスク
・フォロー期間中央値 336日[167-748]において, IAを発症したのは123/394(31.2%)
・このうちACR/EULAR 2010 RA分類基準を満たしたのは101例(25.6%).
・XPにおける骨びらんは, IA進行リスクとはならない: OR 1.00[0.30-2.90]
3箇所以上の骨びらん: OR 0.85[0.08-8.72]
・XPとUS双方で骨びらんを認める場合はリスクとなり得る: OR 5.0[0.48-51.48] .
(USでも骨びらんを認めたのは5/17, IA進展例では4/7, 非進展例では1/10)