Metformin使用中の患者でPET/CTをとると, 腸管にびまん性に集積が認められることがある.
(AJR 2010; 195:1404–1410)
・METは高血糖患者で 腸管のGluの取り込みを 60%増加させるため PET/CTでの集積が生じるとされる(BMJ Case Rep 2014. doi:10.1136/bcr-2013-202058)
・最近のPET-MRIを用いた報告では, Metforminにより, グルコースは腸管壁ではなく, 腸管内腔へ集積していることが示されており, Metがグルコースを便中に排泄している可能性が示唆されている(Diabetes Care. 2020 Aug;43(8):1796-1802.)
PET/CTを評価した糖尿病患者77例と, 性別, 年齢, BMIを合わせた非糖尿病患者のControl群と 腸管の集積を比較した報告.
(Clin Nucl Med 2011;36: 452–456)
・45/77でMetforminを使用
・腸管への取り込みは 以下のScaleを用いて評価(紹介する様々なStudyで同様のVisual scaleを使用)
アウトカム
・糖尿病患者では非糖尿病患者と比較して, 有意に腸管の集積が亢進する.
・Met(-)のDM患者と非DM患者の比較では差はなし.
・DM患者群において, Met(+)と(-)の比較では, 有意にMet(+)群において腸管への集積が上昇.
Met(+)のDM患者 32例, Met(-)のDM患者23例(其々G1a, 1b) 非DM患者 95例(G2)のPET/CTを評価
(Eur J Nucl Med Mol Imaging (2008) 35:95–99)
・DM患者, 非DM患者の比較では, DM患者で有意に腸管の集積は亢進
・Met(+), (-)の比較ではMet(+)で有意に取り込みは上昇
Met(-)のDM群はControl群とほぼ同等.
では, PET/CTのどのくらい前にMetforminは中止すべきか?
>> 少なくとも2日以上前. 可能ならば3日前とか
PET/CTを評価する患者群を以下に分類し, 評価:
(AJR 2010; 195:1404–1410)
A) Met(+)のDM患者 107例
このうち, PET/CT撮影時も継続させた77例をA1,
PET/CT撮影の2日前に中止させた30例をA2
B) Met(-)のDM患者 31例
C) 非DM患者 52例
・DM患者のうち10例は, Met継続した状況と中止した状況の2回PET/CTを評価.
・血糖値と腸管の集積を各群で比較.
アウトカム
PET/CT前のMet中止期間を比較したRCT.
(Radiology 2018; 289:418–425)
・糖尿病でPET/CTを撮影する患者 90例を対象とし,
24h前に中止する群, 48h前に中止する群, 継続群に割り付け, 腸管への集積を比較.
・48hの中止により有意に 腸管の集積は低下する.
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Metforminを使用している場合, 腸管への集積が著明に亢進する.
中止により, 集積も低下する. 一般的には2日前に中止することが推奨されるが, それでも下行〜直腸の集積は亢進している.
疾患や病態により, しっかりと腸管を評価したい場合は72h以上前の中止を検討した方が良い