MMP-3(matrix metalloproteinase-3): 炎症性サイトカインの刺激を受けて, 関節滑膜細胞や軟骨細胞から産生される蛋白分解酵素.
RAで上昇するが, 他にも脊椎関節炎, SSc, SLEなど色々な疾患で上昇する.
99例の分類不能関節炎患者において, マーカーや抗体によるRA診断能を評価した報告
(Rheumatol Int (2013) 33:2309–2314)
・1年間のフォローにて最終的にRAと診断されたのは44例
・ACPA陽性の34例中, 33例がRA,ACPA陰性の65例中, RAは11例.
各マーカーのRA診断における感度/特異度
・上: 全患者, 下: ACPA陰性例における評価
・分類不能関節炎における, MMP-3のRA診断におけるLRは,
全体: LR(+)は2.16, LR(-) 0.71
ACPA陰性例: LR(+) 3.4, LR(-) 0.45
RA患者と他のリウマチ性疾患患者におけるマーカーを比較
(J Rheumatol 2006;33:2390–7)・RA患者は262例, 他の膠原病は116例. SLE, MCTD, SSc, pSS, DM/PM, 血管炎を含む
・MMP-3は感度69.5%, 特異度46.6%, LR(+) 1.3, LR(-) 0.65
・ROC曲線を見るとMMP-3はほぼ直線 = 診断への寄与は乏しい
基本的にMMP-3はRA診断に使用しない.
するならば診断後の病勢把握やフォローで使用.
特にIL-6阻害を使用して, CRPがアテにならなくなった代わりのマーカーとして用いることが個人的には多いか.(でもあまり使っていない.)