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2021年5月30日日曜日

COVID-19後の間質性肺疾患

 (Ann Am Thorac Soc Vol 18, No 5, pp 799–806, May 2021)

単一施設における前向きCohort.

Guy’s and St. Thomas NHS Foundation Trust (@ London)において, 2020年2月〜5月にCOVID-19と診断された患者を4週間後に電話にて症状の経過をチェック.
 (事故・救急での受診, 入院症例)

・症状が残存している患者を再評価し, 呼吸機能, 6MWT, 画像所見, MDTにてILDを評価.

 
ILDを合併した症例では, その後1-2wk単位で症状や6MWTや呼吸器機能検査の改善が得られない場合にステロイド治療を提案する

・症状が完全に消失している患者では, 12wk後に胸部XPをチェック.
 異常があればILDの精査を行う


アウトカム

・患者は1272例. 死亡例は245例(19.1%)
この内837例(88%)で4wk後の評価が可能であり, さらに325例が症状の改善が残存.


・77例でCTの異常所見, 身体機能の低下(6MWTや呼吸機能)があり, 
最終的に35例でpost-COVID-19 ILDを診断(4.2%)

・男性が7割と多く, 非喫煙者が65%.

画像所見で最も多いのは, 

・COP pattern
(両側性, 中〜下肺の胸膜下のGGO)


・また, 胸膜下, 気管支に沿った線状陰影


・牽引性気管支拡張を認める症例もあり(Fibrotic COP)


ステロイド治療を受けたのは30例

・開始量の平均は26.6mg, 最大0.5mg/kgであり,

 
3wk程度で減量する方法がとられることが多かった.


・30例全例で呼吸機能や症状の改善あり


Post-COVID-19 ILD患者における入院時のデータ

・O2治療は82.9%, 人工呼吸器は45.7%で使用.

・
ICU管理は54.5%


・ステロイド治療は17.1%

炎症マーカー

・ピークはCRP 23±16 mg/dLとCOVID-19としては高値


 その後クリニック受診時は0.6±0.98 mg/dL

・リンパ球は700±200/µl