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2019年7月11日木曜日

CRPを指標とした, 外来におけるCOPD急性増悪の抗菌薬投与

COPD急性増悪において, どのような患者で抗菌薬を使用するベネフィットがあるかを評価したRCTが2013年にChestから発表されている.

ここでは, 膿性喀痰の増量やCRP≥4mg/dLで抗菌薬を使用することで, 治療失敗リスクが低くなる可能性が示唆された.

参考:

COPD急性増悪; どのような患者に抗生剤を使用すべきか?


今回NEJMより, CRPを指標とした抗菌薬使用の効果を評価したRCTが発表

外来におけるCOPD急性増悪治療においてCRPを指標としてAbx適応を決める群と通常の治療群に割り付け比較したopen-label RCT.
(N Engl J Med 2019;381:111-20. DOI: 10.1056/NEJMoa1803185)
・英国におけるGeneral medical practicesCOPD急性増悪で紹介・受診した患者群を対象.
・40歳以上でCOPDを診断されており, Anthonisen criteria1項目以上満たす患者を対象
・通常の急性増悪治療に加えて, CRPを指標したAbx適応投与群 vs 通常の対応群に割り付け, Abx使用率や予後を比較.

・CRP<2mg/dLではAbxは有用ではない可能性が高い
 2-4mg/dLではAbxは有用かもしれない, 特に膿性喀痰がある場合
 >4mg/dLではAbxは有用の可能性が高い という推奨のもと, 投与を検討.

・アウトカムは割り付け後4wk以内の抗菌薬使用頻度と, 2wk後のCOPDの症状変化(Clinical COPD Questionnaire, 10項目を 0-6点で評価. 低いほどCOPDに関連した症状が軽微)

母集団

アウトカム

割り付け後4wk以内の抗菌薬の使用頻度はCRP指標群で有意に低い(57% vs 77.4%, OR 0.31[0.20-0.47])
・2wk後のClinical COPD questionnaireは有意にCRP群で低下(-0.19[-/033~-0.05])

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外来におけるCOPD急性増悪の管理で, 肺炎がなければCRPや膿性喀痰を指標として抗菌薬を投与を決める方法は, 抗菌薬使用頻度の減少に役立つ可能性がある.