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2016年9月20日火曜日

Stevens-Johnson Syndrome(SJS), Toxic epidermal necrolysis(TEN) ①

SJS, TEN
薬剤, Strep感染症に伴う皮膚症状の最重症型.
・TEN; 表皮剥離が体全体の>30%に及ぶ病態.
・SJS; 表皮剥離が体全体の<10%.
・10-30%の表皮剥離はSJS/TEN overlapと定義される.

基本的にSJSとTENの病態は同じものと考えられる.
・SJSの死亡率は1-3%である一方, TENは30-50%.
 そのほとんどが敗血症, MOFによるもの.
(Crit Care Med 2011; 39:1521–1532)

SJS, TENの原因
・SJS, TENの74-94%が上気道感染後 or 薬剤投与後に発症.
 薬剤は抗生剤, 抗てんかん薬, NSAIDが主な原因.
 短期間使用時, 長期使用時双方(開始最初の2mo以内が多)とも出現し得る.
・Case-control studyでは,
Short-term Drug RR Long-term Drug RR Drug RR
ST合剤 172 Carbamazepine 33-90 Nevirapine >22
Cotrimozazole 102 Oxicam-NSAID 6.4-72 Tramadol 20
Sulfonamide 53 Corticosteroids 54 Pantoprazole 18
Chlormezanone 62 Phenytoin 26-53 Lamotrigine >14
Cephalosporin 14 Allopurinol 11-52 Sertraline 11
Quinolone 10 Phenobarbital 17-45


Aminopenicilline 6.7 Valproic acid 25


アセトアミノフェン 0.6-9.3




(Crit Care Med 2011; 39:1521–1532)

・薬剤間の交差反応による再発も多く, しばしば重症化する
 β-lactamとcephalosporinでは交差反応あり, 避ける.
 抗てんかん薬でarene-oxide moiety(phenytoin, phenobarbital, carbamazepineなど)でも交差反応あり, 他の抗てんかん薬を使用すべき(Valproic acid, Levetiracetamなど)
・他のSJS/TENのリスクとなる因子
 HIV感染症, Herpesvirus, Mycoplasma pneumoniae, HAV
 放射線療法, SLE, 膠原病が発症のリスクとなる.
 遺伝子の関連もあり, HLA-B12はTENと関連.
・AsiaではCarbamazepine-induced SJS/TENとHLA-B*15:02との関連あり. 
 また, HLA-B*58:01とアロプリノールが関連あり
(Crit Care Med 2011; 39:1521–1532)

日本人におけるTENとHLAタイプの関連
(A review of toxic epidermal necrolysis management in Japan. Allergology International 2016)

SJS/TENの臨床経過
・原因薬剤投与 1-3wk後にFlu-like symptomで発症
・その1-3日後から粘膜(眼, 口腔, 鼻粘膜, 陰部)病変を90%で認める.
 皮疹; 全身性の紅斑で中心に紫斑を伴う.
 その後癒合性の水泡, 表皮剥離を伴う様になる. 通常頭皮は保たれる.
・3-5日後には表皮剥離が進展し, Denuded areaが拡大.
 熱傷と同様に疼痛, 出血, 蛋白漏出, 体液漏出, 体温低下, 感染を引き起こす.
・組織学的にはDermal-epidermal junction, extracutaneous epithelium, mucous membraneの解離を認める.
・発症から1-3wkで表皮再生が起こる.
 Full-thickness burnと異なり, 表皮再生が期待できる.

消化管病変も多い
・口腔, 食道が多く, 小腸, 大腸病変も起こりえるが少ない.
 TEN患者では腸管は保たれることが多いため, 早期の経腸栄養が可能.
・腸管病変を生じると, 後々狭窄, イレウスを来すことがある.
・陰部病変も同様で, 狭窄, 閉塞のリスクとなる.

肺, 呼吸器病変
・肺水腫, 進行性の呼吸障害が早期(1日目)から起こりえる.
 気管支上皮の潰瘍, 壊死による気管過敏, 閉塞により, XPでは問題ないが, 低酸素が進行する例もあり, 注意が必要.

眼病変
・小児例の30%, 成人例の~74%で眼病変を生じる. 重症例は25%程度.
・眼瞼の発赤腫脹, 細菌性結膜炎, 化膿性角膜炎, 眼内炎など2-6wk持続.
・後遺症を来すことも多い
(Crit Care Med 2011; 39:1521–1532)


厚生労働省のSJS, TENの診断基準

SJS, TENの鑑別疾患
(Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery (2016) 69, e119-e153)

TENの予後予測スコア: SCORTEN
・7つの因子よりスコアを作成
年齢≥40yr
HR≥120bpm
悪性腫瘍の既往, 血液腫瘍の既往
Body surface area>10%
Serum urea>60mg/dL
HCO3 <20mEq/L
Glu>252mg/dL
スコアと死亡リスク
 (J Invest Dermatol 115:149-153, 2000)
(Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery (2016) 69, e119-e153)

SJS, TENのコホートStudy
タイにおけるSJS, TEN 43例の後ろ向きStudy
・平均年齢は49.5歳[20-85], SJSが55.8%, SJS/TENが20.9%, TENが23.3%
 90.7%が経口薬剤投与後に発症

症状頻度

原因頻度
TENは全例で薬剤が原因となる.
 SJSやSJS/TENでは薬剤以外の原因も考えられる
(EXPERIMENTAL AND THERAPEUTIC MEDICINE 10: 519-524, 2015)

日本国内における, 2000-2006年に報告されたSJS, TENの解析
(Allergology International. 2007;56:419-425)
・SJS/TENはTENに含まれる

年齢分布

原因薬剤と投薬〜発症までの期間
臓器傷害の頻度

日本人におけるSJS, TEN 87例の解析
・SJSが52例, SJS/TEN, TENが35例.
 SJSでは53.8%が薬剤が原因であるが, SJS/TEN, TENでは100%が薬剤性.

年齢分布(SJS/TENはTENに含まれる)

原因薬剤と投与開始〜発症までの期間.
・SJSでは平均18日, 
 SJS/TEN, TENでは11.7日間

障害臓器の頻度



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