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2016年6月14日火曜日

ITPにおけるステロイド投与方法の比較

ITPの初期治療はステロイドとなる.
 PSL 0.5-2.0mg/kgを4wk程度継続し, その後減量する方法が一般的であるが,
 高用量デキサメサゾンの短期間投与という選択肢もある.

GIMEMA monocenter study: 20-65歳の未治療重症ITP患者37例に対して, HD-DXM(40mg/dを4日間, 28日サイクル)を6サイクル施行した報告では,
・ITPで血小板<2万 もしくは出血を伴っている症例
・反応率は89.2%, Relapse-free survivalは90% @15M
 反応持続期間は26ヶ月[6-77]
(Blood. 2007;109:1401-1407)

GIMEMA multicenter pilot study: 2-70歳の重症ITP 95例において, HD-DXM(40mg/d 4日間, 14日サイクル)を4サイクル施行
・ITPで血小板<2万 もしくは出血を伴っている症例
・90例で4サイクル完遂.
 反応率は85.6%, RFSは81% @15M
 反応持続期間は8M[4-24]
・1サイクルでの反応率は 69.5%, 2サイクルでは75.8%, 3サイクルでは89%, 4サイクルでは85.6%
(Blood. 2007;109:1401-1407)

成人例のITP(<2万) 60例を対象としたRCT.
(DARU Journal of Pharmaceutical Sciences 2012, 20:7 )
A) DEX 40mg/d(10mg q6h) 4日間, その後PSL 1mg/kg/dとし, 10mg/wkで減量する群
B) PSL 1mg/kg/dで開始し4wk継続, その後減量する群に割り付け, 比較.

母集団: 

・全例20-40歳代

アウトカム
A群では全例が1wkで反応を示す一方, B群では8割のみ.
その後もA群の方が効果は良好.

治療に由来する合併症:
両群ともあまり差はない
 A群の方が長期間の投与が必要なく, むしろ少ないかも

中国における成人例のITPを対象としたopen-RCT.
(Blood. 2016;127(3):296-302)
・HD-DXM(40mg/dを4日間, Day 10でPLT<3万 or 出血+ならば再度施行)群と
 PSL 1mg/kgを4wk継続し, 反応があれば最低維持量(<15mg/d)まで減量する群に割り付け, 比較.
・維持はPSL>3万, 出血症状(-)を目標とする.
・患者は未治療のITPで, PLT<3万もしくは出血性合併症がある 192例を対象
 致命的な出血性合併症がある患者は除外
・また, 悪性腫瘍, 膠原病, HIV, HBV, HCV, 妊婦, 授乳中, 活動性感染症, 高血圧, DM, 心血管疾患, 肝/腎障害患者は除外

母集団データ


アウトカム

・反応あり:  PLT>3万 + 出血(-), もしくはPLT基礎値から2倍以上の上昇.
 CR: PLT>10万達成
・HD-DXMでは有意にOS, CRが良好
・反応までの期間も短い(3日[1-9] vs 6日[2-24])
Sustained Responseは両者で同等.

合併症の頻度

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個人的にITPの治療で不安になることは,
・ステロイドはいくつから開始すべきだろうか
・ステロイド投与開始後, なかなかPLTが上昇しないなぁ
・ステロイド減量後に再燃するんだろうなぁ・・・

という点.

高齢者だとPSL 0.5mg/dから開始しつつ、ダラダラとPLTが上昇するのを待つことが多いのだが, 著明低値のPLTの場合(<10000/µL) そのダラダラと待つ期間、かなり不安が続く.

しかもなかなか上昇しない場合さらに不安が募る.

HD-DEXは通常のPSLで開始するよりも迅速に反応が期待できる.

2-4wk毎に繰り返す方法や
1回投与し、その後PSLに切り換え、すぐに減量する方法
1-2回投与して経過観察する方法などが選択肢となる.

なるべく早期に上昇させたい、でもIVIG行くほどでもない、という患者では良い選択肢と思う。

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