A Randomized Clinical Trial.
JAMA online first.
ARDSでNIVを8時間以上必要とした患者群を対象としたRCT.・患者群をそのままFace Maskで継続する群 vs. ヘルメットでのNIVに変更する群に割り付け, 挿管管理移行率を比較した.
患者206例導入を目標としたが, N=83の時点で有意差がでたため終了
・挿管移行率は 61.5% vs 18.2%, AD -43.3%[-62.4~-24.3]と有意にヘルメット群で挿管リスクが低下する結果であった.
患者はBerlin criteriaによるARDSの定義を満たし, Face Maskを用いたNIVを8時間以上必要とした症例.
・除外項目は心肺停止に瀕している患者群, GCS <8, 気道を保つための嚥下反射が認められない患者, 頭蓋内圧亢進している患者, 上気道閉塞がある患者, 妊婦, 挿管を拒否している患者.
NIVの設定は
・PEEP(EP) はSpO2を>90%に保つように2-3cmH2Oずつ増量(FiO2 ≤0.6).
・IPは呼吸数≤25/分, 呼吸補助筋使用の必要がない程度まで2-3cmH2Oずつ増量
・改善すればWeaning行い, FiO2<0.5, PEEP<5cmH2OでRR≤30, PaO2>75mmHgが維持できれば中止
ヘルメット型
挿管の適応: 以下のいずれかを満たす場合に行う
・神経症状の増悪傾向
・持続性, 増悪傾向の呼吸不全: SpO2 <88%, RR>36/分
・デバイスに耐えることができない
・気道出血
・気道分泌物多量
母集団
・肺炎によるARDSが7-8割をしめる.
・APACHE IIは25-26点程度
アウトカム: 挿管率は有意にヘルメット群で少ない.
・特に呼吸不全による挿管適応が低下する.
・ヘルメット群で挿管する場合, 神経症状の増悪であることが多い.
・死亡リスクも低下
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「ARDSでFace maskのNIVを8時間行い, 挿管に至らなかった患者群」
では, ヘルメット型のNIVに切り替えることで呼吸状態はさらに安定する可能性が高い.
いきなりERでヘルメット装着するのは色々弊害がありそうな気もする。
まずはFace maskで導入しつつ、患者さんが慣れた時点でヘルメットに切替、という流れが最も持って行きやすいかも.
にしてもこの結果はすごいですね.