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2016年6月8日水曜日

C. difficile 無症候性キャリアのスクリーニングと対応は医療者関連CDIリスクを低下させる

以前 C. difficileの無症候性キャリアも周囲汚染リスクがあるということをブログに書いた
C. difficile無症候性キャリアについて

しかしながら, 現時点で無症候性キャリアの評価や対応については規定されていない.
CDI患者は隔離されるが, 治療後は元通りのケア、という流れとなっている事も多い.

個人的にはこの対応には疑問があるし, 感染を広げるリスクがあるなぁ、と思っている.

カナダにおけるcontrolled quasi-experimental study.
(JAMA Intern Med. 2016;176(6):796-804.)
・2004年〜2015年までに急性期病院に24h以上入院した患者を対象.
・2013-2015年は入院患者全例で肛門スワブでのtcdB遺伝子検査を行い, 無症候性キャリアをスクリーニングした.
 >> 無症候性キャリアは入院中, Isolation precaution(後述)を行った.

アウトカムはスクリーニング開始前後の院内CDI発症リスクを評価し比較.
CDIは
・下痢(3回/24h)が24時間以上持続し, 他の原因がなく, toxin産生C. difficileが陽性の場合. 
・偽膜性腸炎所見がある場合. 
・組織病理的に診断された場合で定義.

スクリーニング期では, 無症候性キャリアは4.8%で認められた.

アウトカム: CDIリスク
スクリーニング +  Isolation precaution期間では有意に医療者関連CDIリスクは低下する結果.
 

Isolation precautionは以下
・CDI患者に対する対応から,
 接触時ガウン着用, 個室隔離, 搬送時のPrecautionを除いた対応をとる.

具体的には
・接触時の手袋, 
・石鹸流水による手洗い, 
・体温計の使い回しをしない,
・専用ポータブルトイレの使用, 
・毎日の塩素系消毒液による周辺環境の消毒

入院は個室である必要はないが, カーテンにわかるように注意書きをする(プライバシーには配慮).


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国内ではtcdB遺伝子検査が手軽にはできないため, この無症候性キャリアのスクリーニングは現実的ではない.
重要なのはCDI患者の治療後の管理ではないかと思う.
 CDIが診断されれば、敏感に隔離や感染対策が取られるが, 治療後はあまり重要視されていない気がする. 
 治療後も無症候性キャリアであるという認識を忘れず, 隔離は解除しても手洗いや環境の消毒は重要であろう.

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