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2015年7月16日木曜日

市中肺炎の原因

Community-Acquired Pneumonia Requiring Hospitalization among U.S. Adults. NEJM 2015
米国のChicago, Nashvilleにおける2320例の成人市中肺炎症例の解析.
 28日以内の入院歴がある症例, 免疫不全患者は除外.

原因微生物の頻度
 評価は培養, 菌体, 各種ウイルスPCR, 尿中抗原など使用可能ものをすべて使用
病原体が不明なものが62%と多く, 細菌性は14%のみ(肺炎球菌 5%).
ウイルス性が24%と1/4を占める。

年齢別の原因微生物
 どの年代でもRhinovirusによる市中肺炎の頻度は高い。

ちなみにメタアナリシスによるアジア各国における市中肺炎の原因頻度
(Trans R Soc Trop Med Hyg 2014; 108: 326–337)
入院患者群
肺炎球菌
インフルエンザ桿菌
Staph.
aureus
クレブシエラ肺炎
他のGNB
マイコプラズマ
クラミジア
肺炎
レジオネラ
ウイルス
TB
日本
26%
10%
3%
2%
4%
8%
5%
1%
5%
-
韓国
14%
1%
-
3%
-
7%
9%
1%
-
-
台湾
23%
5%
1%
7%
2%
14%
8%
2%
-
-
中国
9%
9%
2%
3%
3%
11%
5%
3%
11%
-
ベトナム
11%
11%
-
3%
-
-
-
-
-
-
タイ
12%
3%
4%
9%
5%
2%
7%
4%
22%
-
マレーシア
4%
4%
4%
10%
9%
7%
6%
4%
-
7%
シンガポール
5%
4%
-
2%
-
7%
-
1%
-
-
インドネシア
-
-
-
-
-
3%
0
3%
-
-
フィリピン
12%
19%
-
6%
-
-
-
-
-
-
インド
9%
1%
6%
9%
14%
14%
15%
6%
-
3%

外来患者群
ウイルス性の頻度は低いけども、これは検査方法でも差がでるので、
これらの数字がどこまで信頼できるかはよくわかりません。

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いままでウイルス性肺炎は小児で多い、と思っていましたが、成人でも結構多い。
Lancetの2011のReviewでは、ウイルス性市中肺炎は<5歳、>75歳で頻度が高くなるとのこと。
(Lancet 2011;377:1264-75)

細菌性肺炎とウイルス性肺炎の病状の比較
 当然ウイルス性肺炎は非定型肺炎様な病状となる。(Lancet 2011;377:1264-75)

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たしかにここ数カ月で、高齢者の市中肺炎、画像は非定型肺炎様で、マイコもレジオネラもクラミジアも陰性、という人は数例いました。
喀痰は採取できないか、採取できてもあまり有意な菌体はグラム染色で検出できず、という感じで、抗生剤をどうしようかな、とその都度迷う。

そういう症例はウイルス性肺炎として、抗生剤フリーで見るのも手なのかもしれません、、、
、、、が、ウイルス性肺炎と細菌性肺炎の合併は多い(H1N1インフルによる肺炎の4−24%で細菌感染を合併する[Lancet 2011;377:1264-75])という話もあるので、判断が相変わらず難しい。

まぁ、そういう症例(非定型っぽくて、喀痰が有意ではなくて、温泉やペットやマイコプラズマとの暴露歴もなく、マイコ迅速陰性、レジオネラ尿中抗原陰性例の高齢者。長い!)はジスロマックくらいでフォローするのもあり、と捉えておこう(注: no evidenceです)。
(今まではβラクタム+ジスロマックやLVFXとしてしまいましたが、、、)

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