ネットの購入サイトで見ると色々な表記がされている。
着圧 mmHg、hPa、デニール、、、など。
患者さんに勧める際にどれを選択すべきか?
臨床所見からの慢性静脈不全の重症度分類
Clinical(臨床所見) |
C0: なし |
C1: クモ状血管腫 |
C2: 静脈瘤形成 |
C3: 浮腫を伴う静脈瘤 |
C4: 色素沈着, 皮膚炎, 脂肪皮膚硬化 |
C5: 治癒した潰瘍 |
C6: 活動性潰瘍 |
(JAMA. 2012 Dec 26;308(24):2612-21.)
治療方針
C1では経過観察で問題なし。
色素沈着やクモ状血管腫による美容的な問題で治療希望があることもある。
C2では弾性ストッキングを使用する。
弾性ストッキングは膝下までのタイプで、着圧は20-30mmHgが効果的(表)。
静脈瘤による疼痛、色素沈着などの症状は弾性ストッキングで改善が見込める。
ただし、30-65%でストッキング着用を継続できないため、その場合は外科治療や硬化療法、アブレーションを考慮する。(J Vasc Surg. 2011 May;53(5 Suppl):2S-48S.)
C3-6でも第一選択は弾性ストッキング。
弾性ストッキングは膝下までのタイプで、着圧は30-40mmHgが効果的(表)。
潰瘍形成例に対して圧迫療法のみで治療した群と、表在静脈瘤の外科治療を併用した群の比較では、潰瘍治癒率に有意差は認められなかった(3年で93% vs 89%)。ただし、圧迫療法単独では潰瘍再発率が有意に高い(3年で56% vs 31%)ため、潰瘍治癒後の再発予防やストッキングが使用できない患者群では外科手術や硬化療法、アブレーションを考慮する。(ESCHAR trial: Lancet. 2004 Jun 5;363(9424):1854-9.)(BMJ. 2007 Jul 14;335(7610):83.)
弾性ストッキングの選択
CEAP分類 |
着圧(mmHg) |
着圧(hPa) |
デニール |
C2 |
20-30mmHg |
26-39hPa |
70-140 |
C3−6 |
30−40mmHg |
39-52hPa |
140-280 |