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2015年6月10日水曜日

心外膜炎の予後

心外膜炎の予後を評価した前向きstudyはあまりないので、この文献は押さえておくと良い

486例の急性心外膜炎, 心膜/心筋炎患者の前向きフォロー (Circulation. 2013;128:42-49.) 
 心外膜炎が346例
 心膜/心筋炎患者が140例.  (LV機能低下合併例をperimyocarditis(26例), LV機能正常例をmyopericarditis(114例)と表記)

心膜/心筋炎は心外膜炎+心筋逸脱酵素上昇、心電図変化、不整脈、新規LVEF低下のいずれかを認めることで定義される。

3群の比較


フォローの結果
心外膜炎での再発率は31.8%, 心膜/心筋炎では10%前後.
12ヶ月後のLV機能低下(LVEF<55%)は心膜/心筋炎で7.9-15.4%
 逆に言えばEF低下した26例中22例は改善した
死亡例は全群ともなし.

心外膜炎では心筋炎を合併しようがしまいが、生命予後は良好。
LVEFが低下しても12ヶ月後には8割が改善する。
ただしLVEF 低下例は26例のみであるため、その点注意が必要。