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2015年6月23日火曜日

血球数によるびまん性大型B細胞リンパ腫の予後評価

非ホジキン悪性リンパ腫の予後判定にはInternational Prognostic Index(IPI)を使用するが、これはRituximabが使用可能となる以前より使用されていたものであり, 現在の状況には合わない可能性が高い。

IPI
Factor Adverse Feature
年齢 >60yr
Performance status >=3(Self-careのみ)
LDH >ULN
節外病変 >=2か所
Stage(Ann Arbor) III, IV
Risk Group Factors 5 Disease-free 5 生存率
Low 0-1 70% 73%
Low-intermediate 2 50% 51%
High-intermediate 3 49% 43%
High 4-5 40% 26%

Rituximab使用可能となってから、びまん性大型B細胞リンパ腫(DLBCL)の予後は著しく改善し、それに伴い予後予測スコアの再評価も必要となっている。

新たな予後スコアには
遺伝子による評価(GEP: gene expression profiling), Mutational analysis,
免疫組織学検査による評価(immunohistochemistry-based),
早期のPET所見からの評価など様々あるが, どれも費用のかかる検査.
血算、血球数からDLBCLの予後を評価する方法もあり, 好中球/リンパ球比(NLR), リンパ球/単球比(LMR), リンパ球数/単球数予後スコア(ALC/AMC PS)が有用との報告がある。血算による評価は非常に安価である点が利点と言える。
好中球/リンパ球比(NLR)による予後予測
DLBCLでR−CHOPで治療された255例においてNLRと予後を評価した後ろ向きStudy
 NLR < 3.5は有意にOS, PFS良好を示唆する.
 5年OS 87% vs 56%
 5年PFS 72% vs 45% (Am J Hematol. 2010 Nov;85(11):896-9.)
リンパ球/単球比 (LMR)による予後予測
DLBCLでR−CHOPで治療された438例を解析
 そのうち200例をランダムに抽出し, LMRと予後の関係を評価し, その後残りの238例と全患者(438例)でValidationを施行した.
 LMR≤2.6は有意な予後不良因子となる (PLoS ONE 7(7): e41658.)

DLBCLで治療された1057例を対象としてLMRと予後を評価.
 リツキシマブ使用群(700例), 非使用群(357例)で評価.
リツキシマブ非併用群ではLMRは予後予測因子とはならない
 (4年OS 61%[LMR>2.6] vs 56%[LMR≤2.6])
リツキシマブ併用群ではLMRは予後予測因子となる
 (4年OS 86%[LMR>2.6] vs 73%[LMR≤2.6]) (Am. J. Hematol. 88:1062–1067, 2013.)
アジア人を対象としたNLR, LMR, ALC/AMC PSの評価
台湾におけるDLBCLでR−CHOPで治療された 148例の後ろ向き解析
上記患者群においてNLR, LMR, ALC/AMC PSの予後予測能を評価.
NLR >4.36は有意にOS, PFS増悪因子となる
 NLR ≤4.36は5年OS 78.4%, PFS 74.6%
 NLR >4.36は5年OS 58.0%, PFS 43.6%
LMR ≤2.11も有意にOS, PFS増悪因子
 LMR >2.11では5年OS 79.9%, PFS 74.5%
 LMR ≤2.11では5年OS 58.9%, PFS 48.7%
ALC/AMC PSは以下で評価:
 低リスク群 : ALC >1162/µL + AMC ≤ 555/µL
 中リスク群: ALC ≤1162/µL もしくは AMC > 555/µL
 高リスク群: ALC ≤1162/µL + AMC > 555/µL
  低リスク群(5年OS 94.4%, PFS 87.0%), 
  中リスク群(5年OS 71.2%, PFS 71.2%)
  高リスク群(5年OS 41.0%, PFS 31.0%)
DLBCLでRを含む化学療法を行う患者群において
CBCによる血球数の評価はほぼ費用はかからず治療反応性を予測する一つの指標となりえる.

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