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2012年8月11日土曜日

スタチンは糖尿病のリスクとなり得る

JUPITER study;
 LDL<130mg/dL, 高感度CRP≥2mg/L, 心血管イベントの既往(-)の17802名のDB-RCT
 患者群は男性≥50歳, 女性≥60歳.

 Rosuvastatin(クレストール) 20mg/d vs Placeboに割り付け, 心血管イベントリスクを評価.
1.9年間フォローでのアウトカムは, (NEJM 2008;359:2195-207)
Outcome
Rosuvastatin
Placebo
HR
NNT
Primary End point
0.77
1.36
0.56[0.46-0.69]
167
MI
0.17
0.37
0.46[0.30-0.70]
500
Stroke
0.18
0.34
0.52[0.34-0.79]
625
Arterial Revascularization
0.38
0.71
0.54[0.41-0.72]
303
UAPによる入院
0.09
0.14
0.59[0.32-1.10]

全死亡
1.00
1.25
0.80[0.67-0.97]
400

 心血管イベント, Stroke, 再灌流療法, 心血管死亡は有意にRosuvastatin群で低下.
 また, 副作用としては血糖コントロールが悪化することが多くなる.

このJUPITER studyを, 以下の群別に解析したStudy(5年後フォロー) (Lancet 2012;380:565-71)
 メタボリック症候群, 耐糖能障害, BMI≥30, HbA1c>6%のいずれかを満たす群が11508名.
 リスクファクターを認めない群が6095例. それぞれの群でアウトカムを評価.

 上記リスクがある患者群では, 134例の心血管イベントを減少させる一方で54例の新規糖尿病の発症が増加するという計算. リスク(-)群では糖尿病のリスクとはならない.
 Risk-benefitを考慮するとそれでもスタチンと投与したときの利点が大きいが, 知っておいた方がよいであろう事項。