Ann Emerg Med. 2012;60:45-56.
前璧誘導の早期再分極は若年者で多いが,しばしばSTEMIとの鑑別が問題となる.
カテーテルで確定した前壁STEMI患者で, 以下を除外した群と
V2-V4全てで1mm以上ST上昇を認める早期再分極群を比較
STEMI患者の除外項目
STEMI群の除外患者
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脚ブロック
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下に凹ではないST上昇パターン
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Terminal QRS distortion*
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ST評価が困難な心電図
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II, III, aVFでSTが1mm以上低下
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V2-V4のいずれかでQ波あり
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明らかなSTEMI(ST>5mm)
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前壁ST低下
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V2-V6のいずれかでTerminal T inversion
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* Terminal QRS distortion; QRSがS波やJ波がなく, スラー状にそのままSTに繋がる所見. STEMIの所見で認められる.
簡単に言うと, 前壁STEMI患者で, 『明らかにSTEMIだろう』という所見が無く, 早期再分極に類似した心電図を呈するSTEMI vs 早期再分極心電図を比較したStudy.
STEMIはDerivation群で60名,Validation群で83名を評価.
早期再分極は,Derivation群で70名, Validation群で101名を評価.
Outcome;
Derivation群の比較では, 以下の項目で有意差あり
①
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V3誘導のJ点から60msの時点でのST上昇(mm)
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②
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V4誘導のR波高(mm)
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③
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QTc(ms)
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V1のT波 > V6のT波
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[1.196 x ①] + [0.059 x ③] - [0.326 x ②] の式を用いて,
>23.4でSTEMIを示唆.
≤ 23.4で早期再分極によるST上昇を示唆
Group
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感度
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特異度
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LR+
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LR-
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Derivation
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92%[82-97]
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89%[79-95]
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Varidation
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82%[72-90]
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92%[85-97]
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Total
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86%[79-91]
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91%[85-95]
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9.2[8.5-10]
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0.1[0.8-0.3]
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>35歳群
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87%[80-92]
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87%[79-92]
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≤35歳群
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75%[35-97]
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98%[91-100]
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他の要素のLR;
覚えるの大変だからブログにのせておいた。
個人的に面白いなぁとおもうStudy by高岸