乳酸値 ◯mg/dL → ◯/9.08 mmol/Lなので,
乳酸値 9mg/dLあたり, 1mmol/L ⇒ アニオンギャップは1上昇する
他に原因の無いAG開大性代謝性アシドーシスでは上記方法で乳酸を推定可能です。
検査機によっては mmol/Lで表示されるものもあり、その場合は計算の必要は無し.
乳酸値の測れない施設では活用をしてください。
『上記の応用で、ケトアシドーシス患者でのケトン値の推定』
ケトアシドーシスの患者では、大体乳酸も上昇してます。
DKAならば尿ケトンの感度は99%なので、尿検査でケトンが上
AKA(アルコール性ケトアシド
尿ケトン陰性 = 除外可能という訳にはいきません。
その理由は尿ケトンはAcetoacetateを検出する検査で
DKAではBOHB : Acetoacetate(AcAc) = 11:1で上昇する一方,
AKAでは19:1で上昇するので、AKAではAcAcが少ない
では、AKAの症例でケトンの血中濃度を測り忘れたとき、どうや
アニオンギャップから乳酸上昇分の開大を差し引いて, 残った開大分がケトンによるものと考えます。
例; AG 22のAG開大性アシドーシスで乳酸値が90mg/dLの場合、
乳酸によるAG開大部分は10なので、22-10=12 → 正常AG.
このAG開大性アシドーシスは乳酸アシドーシスのみで説明可能
例2; AG 30のAG開大性アシドーシスで乳酸値が90mg/dLの場合、
乳酸によるAG開大部分は10なので、30-10=20 → まだAGが開大.
その開大している20-12=8 が、おそらくケトンによる上昇.
ケトン1000pmol/Lあたり、AGは1開大するので、
AG開大 8 → 8000pmol/Lのケトンがあるという推測が可能。