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2012年6月26日火曜日

市中肺炎の入院期間を短縮する3つのステップ


Arch Intern Med 2012;172:922-928

市中肺炎患者において, 早期リハビリ開始, 早期経口内服への切り替え, 早期退院の3つのCriteria(3-step)を作成しマネージメントする群と, 通常のケアを比較したRCT.

3-stepとは, 
早期リハビリ; 入院24時間以内のベッド上, 外でのリハビリ.
早期経口切り替え, 退院Criteriaは以下参照
経口内服切り替えCriteria
退院Criteria
経口摂取可能
Abxを経口に切り替え済み
臨床的改善
意識状態が入院前と同じ
Vital Stable(BT≤37.8, RR≤24, sBP≥908時間以上)
酸素化改善(PaO2≥60, Sat≥90%)
COPD, HFなど増悪した基礎疾患無し
慢性呼吸不全では元の状態に戻っている
Septic metastases無し


マネージメントの混在を避けるため, 医師を2群にわけ, 3-step治療と通常治療に当たらせた.

患者母集団は, ≥18yrの市中肺炎 401名.
 Pneumonia Severity IndexにてIV-V もしくは,I-IIIで以下の1つ以上を満たす場合
 酸素化低下(PaO2<60, Sat≤90%), 
 Vital sign異常(BT>37.8, HR>100, sBP<90)
 48hrの抗生剤投与に反応無し.
 不安定な基礎疾患にて入院が必要と判断された患者.

除外項目は,
 ICU管理, 瀕死, ショック状態, 肺炎随伴性胸水(+), 妊娠, 誤嚥性肺炎, 社会的な要因(ホームレス, 薬中, 意思疎通困難)

Baselineの母集団データ

アウトカム; 入院期間, 合併症

3-step治療群の方が入院期間は短縮し,抗生剤IV期間も短縮. それに伴い薬剤による合併症も減少する.
経口に切り替えることで膿胸や合併症が増加することも無い.

早期リハビリは当たり前として,
IVから経口に切り替えるタイミングなんかは非常に参考となる面白いStudy.
完全に解熱しなくても37度台で、呼吸数(これが大事)が24回未満ならば経口へ切り替えしても問題は無い。

これであまり呼吸数を意識しない先生方も呼吸数に注目してくれるでしょうか?
期待したいところ by高岸