(CHEST 2021; 160(2):572-581)
AAVにおける胸膜炎や心膜炎はEGPAで多い臓器障害とされ, GPAやMPAでは稀と考えられている.
データベースより, 1830例のAAV患者を評価し, 胸膜炎, 心膜炎の頻度を調査.
・胸膜炎 and/or 心膜炎を認めたのは,
GPA症例で88/1058(8.3%)
MPA症例で27/267(10.1%)
EGPA症例で35/201(17.4%)
Unspecified AAVで6/304(2.0%)
・胸膜炎の頻度は GPAで4.9%
MPAで6.4%
EGPAで6.5%と ほぼ同等の頻度だが
・心膜炎の頻度は 4.3%, 5.2%, 14.4%と EGPAで多い
・初発症状としてもあり
・両者合併例は稀
胸水検査が行われた症例より
・滲出性胸水が77.4%(24/31)
・細胞はリンパ球優位が41.7%(5/12)
単球, マクロファージ優位が41.7%(5/12)
治療は免疫抑制療法〜対症療法まで様々だが, 胸水貯留や心嚢水貯留の再発は少ない.