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2021年8月17日火曜日

生物学的製剤使用中患者における簡便な感染症リスク評価: DANBIO risk score

 RA患者における重大な感染症リスクを評価する方法としてはRABBIT scoreが有名

関節リウマチ患者における重大な感染症のリスク: RABBIT score

ただ, 計算にはホームページを介して行うなど, やや煩雑ではある.

そこで, デンマークのCohortを用いて, 生物学的製剤を使用中の患者における, 重大な感染症リスクを評価するRisk scoreが発表された.

(Rheumatology 2021;60:3834–3844)

DANBIO risk score

デンマークのNation wide registry(DANBIO)より, 
炎症性関節疾患でbDMARDを使用している患者群の
重大な感染症合併リスクを評価, リスクスコアを作成

・DANBIOにおいて, RA, axSpA, PsAでBio未使用の患者で,
 新たにBioを開始した患者群を評価
(TNF阻害薬, IL-1, IL-6, IL-17阻害薬, RTX)

・上記患者群を年齢, 性別, 地域を合わせた非RA, axSpA, PsA群と比較し, 感染症リスク因子を評価した


12ヶ月間の重大な感染症リスクは
RA患者でおよそ4倍. AxSpAやPsAでは3倍前後

・また, 高齢ほどリスクは上昇する
(Control群でも高齢者はリスクとなる)


生物学的製剤を使用中の患者における重大な感染症リスク因子

・5年以内の入院が必要な感染症既往, 


 肺疾患, 糖尿病, IBD, MI, 

 
1年以内のGC使用, 
年齢がリスクとなる

・年齢とリスク因子数による
感染症合併率.


・AUCはDANBIOとRABBIT scoreでほぼ同等: AUC 0.67, 0.68


Model 3がDANBIO risk score


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感染症のリスク因子となる項目は,
RABBIT scoreのValidationにおいても, 
・罹患期間, 
・重大な感染症の既往, 
・PSL ≥10mg/dの使用

・糖尿病, 
・慢性肺疾患
 とDANBIOの項目とほぼ類似しており, これらの項目はBioにおいては要注意と言える.