2017年に発表されたTRUST studyは当時では初めての大規模RCTであり, それによると特に治療により有意に改善する項目は認められなかった結果.
TRUST studyは以下を参照
高齢者における潜在性甲状腺機能低下症の治療
では, 甲状腺機能低下症の症状や, 倦怠感が強い高齢の潜在性甲状腺機能低下症患者へのチラーヂン投与では, 症状の改善につながるのだろうか, という疑問をこのTRUST studyのPost-hoc analysisで解析した報告
(Ann Intern Med. 2020 Jun 2;172(11):709-716.)
TRUST studyのPost-hoc analysis.
BaselineでHypothyroid Symptom score>30, またはTiredness score >40を満たす例において, チロキシン投与 vs Placeboで症状が改善するかを評価.
・Hypothyroid symptom score >30は132例, Tiredness score >40は133例で認められた.
Hypothyroid symptom scoreの変化は;
チロキシン群 -12.3[-16.6~-8.0]
Placebo群 -10.4[-15.3~-5.4],
AD -2.0[-5.5~1.5]と有意差なし
Tiredness scoreの変化は;
チロキシン群 -8.9[-14.5~-3.3]
Placebo群 -10.9[-16.0~-5.8],
AD -0.0[-4.1~4.0]と有意差なし
という結果(本文DLできずアブストラクトより)
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高齢者の倦怠感や活気の低下で, その時にSubclinical hypoがあったとしても, それが原因とはない方が良い.