GCA, 側頭動脈炎では頭痛を伴うことは有名.
・初発症状として頭痛を認めるのは32%, 全経過を通じて68%で頭痛を認める.
(CMAJ 2011;183:E301-5)
・他の報告では初発症状として35%, 全体で73%で認める報告もあり, 大体この辺りの数字
(Curr Neurol Neurosci Rep (2015) 15: 30 )
どのような頭痛となるか?
日本国内からの報告.
頭痛外来を受診し, GCAと診断された19例の解析
(Intern Med 50: 1679-1682, 2011)
・男性9例, 女性10例, 発症年齢は78.1±4.8歳.
19例中17例が他病院の受診歴があるが, 2例しかGCAの診断には至らなかった
・初発症状は頭痛が89.5%, 耳痛が5.3%, 下顎痛が5.3%
・頭痛の部位は側頭部が12例(63.2%), 後頭部が2例(10.5%), 前頭部が2例, びまん性が1例(5.3%)
・拍動性頭痛が10例(52.6%), 9例は非拍動性
・頭痛の程度は重度が8例(42.1%), 中等度が7例(36.8%), 軽度が4例(21.1%)
・持続性の頭痛が11例(57.9%), 発作性の頭痛が8例(42.1%)
・他の症状: 全身倦怠感10例, 発熱5例, 体重減少3例, 眼症状は2例で認められた.
顎跛行は3例, PMRの合併も3例, 三叉神経麻痺も1例で合併
・18例が側頭動脈の圧痛(+), 10例で側頭動脈の突出や拡大, 8例で拍動の消失, 低下を認めた.
GCA 240例の臨床症状, 所見を評価.
スペインの単一施設において, 1981-2004年に生検にて診断されたGCA症例
(Medicine 2005;84:269–276)
・側頭動脈生検で診断された症例 = 側頭動脈病変陽性例.
・上記のうち頭痛を認めたのは84.6%.
・頭痛(+)群では側頭動脈の異常所見が80%で認められる.
・側頭骨の圧痛は4割程度
・38度以上の発熱は8.9%のみと少ない
------------------------------
側頭動脈炎, GCAで認められる頭痛は緊張型, 片頭痛型で, 頭痛のタイプ, 部位, 程度は様々で固定されたものはなさそう.
症例報告レベルではTAC様の頭痛を呈する例も報告されている.
発熱や消耗症状もそこまで多く認めるわけではなく, 高齢者の新規発症の頭痛では側頭動脈の診察, 側頭骨の圧痛は意識して, しっかりと評価する方が良い.