方法は 10-20分程度臥位で安静とし, 起立させて3分後に評価する方法がガイドラインでも推奨されている方法であるが, どのタイミングで評価するのがよいのか?
Association of History of Dizziness and Long-term Adverse Outcomes With Early vs Later Orthostatic Hypotension Assessment Times in Middle-aged Adults. JAMA Intern Med
ARIC study(The Atherosclerosis Risk in Communities)において, 起立時のバイタルサイン変化とその後のフォローにおける起立時ふらつき, 失神などのイベント発症リスクを評価・ARIC: 米国の4地域において, 1987年-1989年に45-64歳であった15792例を前向きにフォローした報告.
・起立時のバイタルサインは20分間の安静臥位とし, 起立後25秒間隔で5回測定.
・起立性低血圧はsBP 20mmHg, dBP 10mmHg以上の低下で定義
・どの時点での評価が最もイベント, 予後との相関性があるかを評価した
母集団
起立時のふらつき症状の頻度とバイタルサインの変化
測定タイミング:
1: 28±5.4秒
2: 52.6±7.5秒
3: 75.4±9.1秒
4: 100±10.4秒
5: 115±4.6秒
・起立時のふらつき症状は, 起立直後(25秒程度)の血圧低下所見との相関性が最も高い.
他の症状: 転倒, 骨折, 失神, 交通外傷, 死亡
・転倒や骨折, 失神, 交通外傷との相関性が高いのは起立後〜1分前後のバイタル変化と言える.
・2分に近くなると転倒や骨折, 交通外傷は有意差はなくなる.
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起立時のバイタル変化は3分待つ必要はなく, 起立直後から数回測定する方が時間の節約, 且つ病態把握に有用な可能性はある.
ただし, 遅延型起立性低血圧の場合は3分以上は評価必要なのは注意