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2017年7月27日木曜日

巨細胞性動脈炎(GCA)に対するトリシズマブ(アクテムラ®)

新規発症, 再燃例のGCA 30例において, Tocilizumab(8mg/kg) 4wk毎投与, 52wk継続群 vs Placebo群に割り付け比較したRCT (Phase 2)
(Lancet 2016; 387: 1921–27)
・患者は50歳以上でACRの1990年の診断基準を満たす群
・両群ともPSLを併用 (PSL 1mg/kg/dより開始し, 通常通りTapering) 
 8週までは0.1mg/kg/週で減量, その後0.05mg/kg/週で減量し, 12週で0.1mg/kg/dまで減量. 以後は1mg/月で減量する.
・アウトカムは12wk以内の寛解率(PSL 0.1mg/kg/dまで減量できた患者で定義)

Tocilizumab + PSL群は20例(うち16例が新規発症)
 Placebo + PSL群は10例(うち7例が新規発症)

母集団データ

アウトカム:

CRは有意にTocilizumab群で良好.
・Tocilizumab群では8割がPSLを終了可能. 一方でPSL単独群では2割のみ


・Tocilizumab終了後は再燃リスクは上昇.

GiACTA trial: GCAに対するTocilizumabを評価したPhase 3 trial
(N Engl J Med 2017;377:317-28.)
・GCA患者(側頭動脈生検, 血管造影, CTA, MRA, PETで診断) 251例を対象とし,
 Tocilizumab 162mg/wk + PSL 26wkで減量群
 ・Tocilizumab 162mg/2wk + PSL 26wkで減量群
 ・Placebo + PSL 26wkで減量群
 ・Placebo + PSL 52wkで減量群 に割付け, 1年後の寛解率を比較.
・PSLは初回投与量20-60mg/dとし, ≥20mg/dの投与量はopen-label.
 それ以下ではBlindとし, 減量を進める.
再燃の定義は症状の再増悪, もしくはESR≥30mmHgとなり, GCA以外の原因が否定されること.
寛解は再燃を満たさず, さらにCRP<1mg/dLを満たすことで定義

母集団

アウトカム
52wk時点での寛解維持率はTocilizumab投与群53-56%Placeboと比較して有意に高い

PSL投与量もTocilizumab投与群では有意に低く, ほぼ予定通りに減量もできる
・Placebo群では予定通りの減量は困難といえる.

副作用, 合併症

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現時点ではGCAの治療はPSLが基本で, MTXの併用で再燃リスクを軽減可能、という認識.
bDMARDとくにインフリキシマブは "no benefit"とされている.

MTXでもコントロール困難な場合の選択肢としてトシリツマブ(IL-6モノクローナル抗体)は有効な選択肢と言える.