PSP: 14-50歳の初回, 片側性, 中等度~重症の特発性気胸を対象としたopen-label 非劣勢RCT.
・中等度~重度の気胸はCollins法を用いた虚脱率≧32%で定義
(画像参照. A+B+C>6㎝)
(https://image.slidesharecdn.com/psp-talk-160218030623/95/primary-spontaneous-pneumothorax-study-5-638.jpg?cb=1455764981)
患者は侵襲的治療群と保存的治療群に割り付け
・両群で鎮痛薬の使用とSpO2>92%を維持するように酸素投与を施行
・侵襲的治療群では, ≦12Fのチューブを用いて水封式のドレナージを施行.
1時間後にXPを評価し, 肺が拡張し, リークが消失していればチューブを閉鎖
閉鎖4時間後に再度XPを評価し, 気胸再発がなければ抜去し, 帰宅
上記経過以外では入院とし, さらに治療を継続する
・保存的治療群では, 最低4時間経過観察し, その後XPをフォロー
その後 酸素投与が不要で, 歩行に問題がなければ注意書きを持たせて帰宅とする.
以下の場合は侵襲的治療を行う;
適切な鎮痛薬を使用しても, 臨床的に有意な症状を認める(胸痛や呼吸苦, 体動が困難)
患者がこれ以上の保存的治療を希望しない
状態が不安定(sBP<90, HR/sBP≧1, RR>30, SpO2<90%)
フォローのXPで気胸が増悪+症状, 所見が不安定
フォロー, アウトカム
・患者は24h-72hの間に再評価され, さらに2wk, 4wk, 8wkにフォロー
フォローはXP, 症状を評価する.
・6-12Mの間に気胸の再発を評価
・アウトカムは8wk以内の気胸の改善
母集団
アウトカム
襲的治療群では6.5%で侵襲的治療が行われなかった
・8wkにおける治癒率は98.5% vs 94.4%(保存的), RD -4.1%[-8.6~0.5] 非劣勢
・保存的治療群のほうが長期間のドレナージや合併症リスクは有意に低い
・12か月の気胸再発も保存的治療群でやや低い
・入院期間や仕事を休む期間も短く済む
合併症
・合併症は胸痛や気腫, 咳嗽などが多い
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中等度以上の気胸でも保存的加療で治療可能なことは多く
その場合は入院期間の短縮や合併症の減少などの恩恵も大きい
毎年この時期は大学受験やセンター試験を控えている気胸患者も少なくない
一つの選択として押さえておくとよいかもしれない