(Lancet 2020; 395: 42–52)
ALIC4E: インフルエンザ様症状で外来を受診した1歳以上の患者を対象としたopen-label RCT.
通常の治療に加えてオセルタミビルを併用する群と通常の治療のみの群に割り付け, 症状改善までの期間を比較.
症状改善は通常の活動が可能で, 頭痛や筋肉痛がほぼ消失している状態.
・患者は2016-2018年のインフルエンザ流行期において, 突如発症の発熱+1つ以上の呼吸器症状(咳嗽, 咽頭痛, 鼻汁)+1つ以上の全身症状(頭痛, 筋肉痛, 発汗・悪寒, 倦怠感)を認め, 発症から72h以内の患者群
・除外: 慢性腎疾患, 免疫低下患者, 抗ウイルス薬を使用する必要があると判断された患者, 入院が必要と判断された患者, 薬剤へのアレルギー, 2wk以内に待機的手術を予定, 余命6ヶ月以内, 重度肝不全, 発症から72h以内に割り付けできない患者, 7日以内に生ワクチンの摂取を予定している患者, 妊婦, 授乳婦.
母集団
・インフルエンザPCR陽性例は半数程度.
さらにAが3割, Bが2割.
アウトカム
・通常の治療群における症状改善までの期間は6.73日[6.50-6.96]
高齢者や症状が重症の場合は長期間となる
・オセルタミビルの使用により, 症状改善までの期間は有意に短縮: 1.02日[0.74-1.31]
短縮効果は重症なほど大きい
インフルエンザPCR陽性群と陰性群で, オセルタミビルによる症状期間短縮HRは同等
二次アウトカム
・抗菌薬使用率が有意に低下
・家庭内での発症が抑制
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・インフルエンザ流行期間中に, インフルエンザ”様”症状で受診した患者へのオセルタミビルの処方は症状持続期間の短縮効果が期待できる.
・その短縮効果はおよそ1日程度. 高齢者や重症例ではさらに短縮効果が期待できる.
・また, その効果はインフルエンザPCR陽性, 陰性で変わらない
検査の意味ってある?