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2017年8月22日火曜日

ECMO中の呼吸器設定はどうするか

重症ARDSで人工呼吸器管理下でも酸素状態が不良, コントロールが困難な場合はECMOを使用することがある.

ECMO中は “ultraprotective ventilation”とし肺を休ませて管理することで臨床的予後の改善が見込める
・ultraprotective vetilationではVTをさらに減らし(<4mL/kg), PEEPをかけて虚脱を防ぐ
PEEPが少なすぎると肺が虚脱し, ECMO離脱が遅れる.
 PEEPが高すぎると過膨張となり, 肺損傷のリスクとなるため適切なPEEPを保つことが重要

(Critical Care 2014, 18:203)

・ガイドラインにより推奨は異なるが, PEEPは≥10cmH2O, Pplatは≤20-25cmH2OとなるようにVTを調節もしくはPSを設定し, 呼吸回数は少なめ、という感じとなる.

ARDS(P/F<200)で以下を満たす患者79例を対象としたRCT
(Intensive Care Med (2013) 39:847–856 )
・左室不全なし, 年齢≥18, 人工呼吸器管理期間<7d, Plat>25cmH2O(Lung protective ventilationにて), 重度の血行動態不安定がない患者.
上記患者群をVT 3mL/kg + avECCO2-R群 vs VT 6mL/kgのまま継続群に割付け, 比較.
・PEEPARDSNetHigh-PEEP/FiO2 tableに則り調節.
 目標値はPaO2 ≥60mmHg, pH ≥7.2とした
avECCO2-Rは体外循環によりCO2を除去する装置. 回路内の抵抗を少なくすることでポンプ無しで動脈圧のみで1-2L/分の流量が確保できる.

両群で毎日SBT適応の判断・SBTを行い, 増悪がなければ抜管を行う.
・avECCO2-Rは患者の呼吸状態が改善(FiO2<0.5, PEEP≤12cmH2O, 自発呼吸あり)してくれば酸素流量を1L/minまで減量. 2時間経過して増悪なければ終了し, カテーテルも抜去する.

母集団

アウトカム

・呼吸器離脱, 臓器障害, 死亡リスクともに有意差なし.
ただし, P/F<150の重症例のみで解析するとVT 3mL/kgとする群のほうが呼吸器離脱期間は長くなる結果であった.
重症例ではVTを極力少なくすることが重要

3箇所の大学病院において, 2007-2013年に重症ARDSに対してECMOを施行し管理した168例を後ろ向きに解析
(Crit Care Med 2015; 43:654–664)
・大学病院はメルボルン, パリ, シドニーの3箇所で, 年間30例程度のECMO症例がある.
患者は平均41±14, P/F 67±19mmHg
 ECMO管理期間は10[6-18], ICU滞在期間は28[16-42]
・ECMO管理中のVT, Pplat, PEEPと臨床アウトカムとの関連を評価した.

ECMO開始前後のPplat, VT, PEEP
A) 左: Pplat, 中央: VT, 右: PEEP
B) ICU生存例と死亡例のPplat, VT, PEEPの推移

ICU死亡に関連する因子
・ECMO開始後のPEEPが高いほど, 死亡リスクは低い結果.

これらのことからもVTは低く(Pplatを20cmH2O前半以下にする程度), PEEPは高く管理することが良いと思われるが, PEEPが高すぎると過膨張のリスクにもなるし, 血行動態が不安定となる可能性もある.

そのPEEPの設定にEIT(Electrical Impedance Tomography)と呼ばれる, ベッドサイドで胸郭に8箇所の電極をつけて各電極間のインピーダンスを測定し呼気-吸気のインピーダンスの変化を評価することが肺の虚脱を評価する評価方法が有用な可能性がある.

ARDSVV-ECMO導入となった15例において, EITを施行し至適PEEPを評価した報告
(Am J Respir Crit Care Med Vol 196, Iss 4, pp 447–457, Aug 15, 2017)
・高PEEPEITが困難な患者群は除外
 (ペースメーカーやICD, 妊婦, 胸部外傷, ドレナージされていない気胸など)
呼吸器設定はPCモードでPS 14cmH2O, RR 24, FiO2 0.5.
 PEEP20cmH2Oで開始し, EITを行いつつ5cmH2Oずつ減量
 PEEP変更は20分毎に行なった. リクルートメントは施行せず
PEEP調節はSaO2 <85%, もしくは血行動態不安定となった場合は中止.

PEEPの値とΔインピーダンス, コンプライアンス, VT, PaO2, 過膨張, 虚脱

・過膨張リスク, 虚脱リスクが最も低いのはPEEP 10-15cmH2Oであるが, 個人差が大きい.
・EITにより至適PEEPを評価すると, 至適PEEP 15が7例, 10が6例であったが, 5cmH2Oが2例認めれた.
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ECMO中の呼吸設定では, VTは低め(<4mL/kg, Pplat <20-25cmH2O), PEEPは高めだが, その至適PEEPには幅がありそう. 
至適PEEPの評価にはEITが有用かもしれないが, 個人的には肺エコーでもいけるのではないかと思う.
ただしECMOしつつ背部のエコーするのは面倒ですが。

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