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2016年5月13日金曜日

小児における経口補液は希釈リンゴジュースと好きなものを

カナダ トロントにおける3次小児救急施設でのSingle-Blind non inferiority trial.
(JAMA. 2016;315(18):1966-1974.)
・急性胃腸炎で軽度の脱水がある6-60ヶ月の患児647例を対象とし, 
 2倍希釈したリンゴジュース+好きな水分摂取群 vs. リンゴフレーバーの経口補液製剤群(色も同じ)に割り付け, 脱水補正の成功率を比較.
・患者は6-60ヶ月で, 24時間で下痢, 嘔吐が3回以上認められ, 軽度の脱水があり, さらに発症96時間未満で体重は8kg以上の患児を対象とした.
 軽度の脱水は4-item, 8-point Clinical Dehydration Scaleで評価.
 Scale <5でCapillary refill <2secで軽度の脱水と判断.
・慢性消化管疾患や糖尿病などの基礎疾患がある場合は除外

経口補液プロトコール:
・ERでは5mLを2-5分毎に摂取
・帰宅後は通常どおり食事は摂取してもらい, 
 その際の水分摂取は経口補液群では製剤のみとする. 
 希釈リンゴジュース群ではリンゴジュースやミルク, スポーツ飲料などが許可.
・また下痢1回あたり10mL/kg, 嘔吐1回あたり2mL/kgを追加摂取するように指導. 
・希望者は帰宅後72-84時間後に再診可能とした.

脱水補正失敗は7日以内に以下のいずれかを満たすことで定義:
・補液の経静脈投与や入院加療が必要となる場合, 
・予定外に外来やERを同じ症状で再受診する場合(症状改善後24時間以内も含まれる)
・症状が長期化する場合(7日以降も3回以上/日の嘔吐下痢)
・両群をクロスオーバーする場合(ジュース ←→ 経口補液)
・3%以上の体重減少や著明な脱水所見(Scale ≥5)がある場合

母集団

アウトカム
治療失敗リスクは有意に経口補液群で高い結果
特に希釈リンゴジュースでは点滴の必要性が低くなる

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これは外来というよりも自分の子供でよく使う知識となりそうです.
特に54-60ヶ月の子供で差が大きいのはそもそもNが少ない点と, あとはやはり ”味” なのではないのかと思ったりします.
うちの長男は経口補液は不味がって飲みません.