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2014年9月11日木曜日

半側空間無視に対するリハビリにはMirror Therapyが有効

Neurology® 2014;83:1012–1017
頭頂葉, 視床梗塞後で半側空間無視を認める48例のRCT
(PROBE design: prospective, open, blinded endpoint)
鏡を使用したリハビリを1日1-2時間, 週5日を4wk継続する群
 vs 鏡を使用しないリハビリを継続する群に割り付け, 比較.

アウトカムは6M後のstar cancellation test(SCT), line bisection test(LBT), picture identification task(PIT)
SCT: 52個の大型の星, 52個の小型の星, 10個の単語, 13個の文字がある用紙を使用し, 小型の星を消す様に指示. 1つでも消し損ねたら異常.
LBT: 20cmの水平線を右側, 中央, 左側に描く.
 各線の中央をマークしてもらう様に指示し, 誤差を評価.
 右にずれれば+, 左にずれれば-で表記. 1.4cmの誤差で異常.
PIT: A4用紙に10個の絵を描き, 全て指摘してもらう. 1つでも落とせば異常.

Mirror Therapy(MT)の方法: 35x35cmのミラーボックスを用意し, 写真の様に配置
 患側の腕を鏡の裏側に置き, 健側を鏡の前に置く.
 患者は患側(鏡側)を見る様に指示し, 両側の腕を運動させるように指示.
 健側が動くと鏡に映る腕も動き, 患者は患側が動いているように錯覚.
 上記を1時間続けたあとは, 患側のActivationを行う.
 患側でテーブルを叩く運動等を指示する. 不可能ならば受動的に行う
 徐々にその運動を日常生活に則したものに変更する.
Control群は鏡のついていないボックスで同様のリハビリ.

アウトカム:
 Baselineと1M,3M6M時点でのSCT, LBT, PITの変化.
 すべてMT群で有意に改善している


これならば大掛かりな装置も必要なく, ホームセンターで揃う.
工夫でどうにかなりそうなリハビリメニュー.
症例があれば是非試してみたいと思わせる結果です.