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2014年9月8日月曜日

尿路結石: 診断

尿路結石について: 診断
(尿路結石: 治療はこちら)
日本で多い尿路結石
 新規発症率は 134/100,000/year (2005年)
 男性 192/100,000, 女性79.3/100,000

 年齢別でみると男性は40台, 女性は50台でピーク(n/100,000/year)
 (Urology 2008;71:209-13,  日本国内の疫学統計)
Age
男性
女性
0-9
1.7
0.9
10-19
17.7
12.4
20-29
114.3
46.7
30-39
259.2
74.8
40-49
315.3
94.9
50-59
294.9
129.8
60-69
241.2
120.0
70-79
200.2
113.6
>=80
113.5
62.9

日本
パキスタン
インド
バングラ
ディッシュ
タイ
サウジ
アラビア
有病率
7%
12%
15%
4%
10%
20%
膀胱結石の割合
0.3%
10%
15%
20%
17%
3%
結石の種類
 シュウ酸Ca
88%
65%
74%
87%
69%
66%
 尿酸, 尿素
8%
20%
3%
1%
6%
20%
 リン酸Mg NH4
3%
12%
22%
9%
12%
2%
 その他
1%
1%
1%
3%
13%
12%
日本以外にはパキスタンやインド、バングラディッシュ、タイ等で多い.
結石の種類は国により異なり, 日本ではシュウ酸Caが多い.

尿管結石の症状 Am Fam physician 2001;63:1329-38
結石の位置により疼痛の性状, 部位が異なる
 腎臓; 迷走神経性の側腹部痛, 血尿
 上部尿管; 腎性疝痛, 側腹部痛, 上腹部痛
 中部尿管; 腎性疝痛, 前腹部痛, 側腹部痛
 下部尿管; 腎性疝痛, 排尿障害, 頻尿, 前腹部痛, 側腹部痛 
 ⇒ 迷走神経刺激による嘔吐もあって良い
“腎疝痛” は女性器疾患, 男性器疾患でも認められるため注意が必要

尿路結石の発症時間
最も多い発症時間は4:32[3:20-5:56]
(BMJ 2002;324:767)

当直中に朝方, 3-4時頃に腹痛で眼が覚めて外来を受診 or 救急搬送される患者さんはよく診ると思いますが、それが "典型例" ということです.

尿路結石の再発率
1Yで14%, 5Yで35%, 10Yで52%の再発率
(Ann Intern Med 1989;111:1006, Abstruct)



尿管結石の可能性を上げる所見
ERにおける結石疑い患者227例のProspective studyEmerg Med J 2006;23:341–344.
 結石が同定されたのは176例であった.
 尿管結石の可能性に関連する所見は,
所見 OR
放散痛 2.1[1.1-4.3]
結石の病歴 2.7[1.3-5.6]
悪心 2.3[1.2-4.6]
CVA圧痛 2.1[0.9-4.7]
恥骨上の疼痛(-) 0.5[0.2-1.0]
持続的な症状 0.71
急性の腹痛(<7d)を主訴に受診した1333例を解析Eur Urol 1998;34:467–473
 最終診断は以下の通り. 腎疝痛は4.4%であった.
腎疝痛を示唆する症状

感度(%) 特異度(%) LR+ LR-
初期に腰部痛(, ) 34% 99% 34 0.67
診断時に腰部痛(, ) 19% 99% 19 0.82
疼痛の期間≤12h 66% 67% 2 0.51
耐えられない疼痛 46% 85% 3.07 0.64
疼痛の変化がある 71% 38% 1.15 0.76
疝痛様の疼痛 53% 70% 1.77 0.67
増悪因子が無い 49% 74% 1.88 0.69
寛解因子が無い 51% 68% 1.6 0.72
同様の疼痛の既往無し 69% 34% 1.05 0.47

感度(%) 特異度(%) LR+ LR-
回転性めまいあり 5% 97% 1.67 0.98
悪心無し 44% 58% 1.05 0.97
嘔吐あり 51% 58% 1.21 0.84
食欲は正常 46% 74% 1.77 0.73
消化不良あり 29% 79% 1.38 0.9
黄疸無し 98% 2% 1 1
排便正常 90% 24% 1.18 0.42
異常なMicturition 3% 99% 3 0.98
腹痛に対する薬剤の使用無し 98% 4% 1.02 0.5
腹部手術の既往あり 29% 75% 1.16 0.95
腹部疾患の既往あり 19% 96% 4.8 0.84
アルコール使用無し 95% 5% 1 1
腎疝痛を示唆する所見. 検査

感度(%) 特異度(%) LR+ LR-
不機嫌 34% 84% 2.13 0.79
顔色(正常, 蒼白) 98% 6% 1.04 0.33
腸蠕動正常 93% 7% 1 1
創部あり 29% 74% 1.12 0.96
腹部膨隆無し 100% 7% 1.08 0
腰部に圧痛あり 15% 99% 30 0.85
腫瘤触れず 100% 3% 1.03 0
反跳痛無し 71% 48% 1.37 0.6
筋性防御あり 61% 54% 1.33 0.72
板状硬無し 92% 23% 1.19 0.35
Murphy徴候無し 98% 10% 1.09 0.2
Bowel sounds異常 15% 86% 1.07 0.99
腎圧痛あり 86% 76% 3.58 0.18
直腸診で圧痛無し 83% 28% 1.15 0.61
体温<37.1 84% 44% 1.5 0.36
WBC≥10000/mm3 62% 43% 1.09 0.88
尿 RBC>10 75% 99% 75 0.25

STONE score BMJ 2014;348:g2191
2005-2010年に尿管結石を疑い単純CTを評価した1040例をRetrospectiveに評価し, 尿管結石を予測するScoreを作成(Derivation).
2011-2013年に同様の患者群(491例)をProspectiveに評価(Validation)
 Derivation: 1040例中, 49.5%が尿管結石症. 重大な急性期疾患は2.9%であった.
  (憩室炎, 虫垂炎, 腫瘤, 卵巣疾患, 腎盂腎炎等.)
 診断に有用な所見でScore作成
性別 OR Pt 人種 OR Pt 尿中RBC OR Pt
女性 1 0 黒人 1 0 1

男性 4.31[3.13-5.98] 2 黒人以外 6.77[3.79-12.64] 3 5.61[3.96-8.04] 3
疼痛出現〜 OR Pt 悪心, 嘔吐 OR Pt



>24h 1 0 無し 1 0



6-24h 1.85[1.27-2.70] 1 悪心のみ 1.98[1.38-2.86] 1



<6h 6.34[4.26-9.33] 3 嘔吐のみ 5.26[3.53-7.93] 2 合計 0-13 Pt
STONE scoreにより尿管結石リスクを Low(0-5), Moderate(6-9), High(10-13)に分類.
其々のリスク別の尿管結石の確率は, 以下の通り

尿路結石の検査 (Am Fam physician 2001;63:1329-38) (Urology 2002;59:839, Abstract)
検査
SN(%)
SP(%)
尿検査
69-84%
27-48%
腹部エコー
19%
97%
KUB
45-59%
71-77%
IVP
64-87%
92-94%
単純CT
95-100%
94-96%
腹部エコーは水腎症に対する感度 85-98%と良好だが, 尿管結石に対する感度はわずか19%のみ
尿検査, KUBどちらかが陽性ならば SN 89%, SP27% (Am J Emerg Med 2003;21:152-154)
 結石なくても52%で尿潜血(+)となる
 逆に結石(+)でも尿潜血10-30%で陰性
 発症から時間がたつと血尿陰性率も高くなる. (J Urol 2003;170:1093-6)
疼痛発作時より
血尿のSN
0
95%
1
83%
2
65%
3
68%
4
77%
5-7
86%
8-
68%

尿路結石疑いでCTを撮影した93例の尿所見 American Journal of Emergency Medicine 32 (2014) 367370
 最終的に62例が尿路結石であった.
 尿路結石のうち血尿+は84%
 尿中WBCは感染を来していない場合も陽性となることがある.


尿路結石の鑑別診断
腹部大動脈瘤; 尿潜血(+)となり得る, 必ずエコーでCheck
 AAAは触知できるのは¢>5cmで75%程度
 AAA破裂の47%が初期診断を誤診, その内, 18%が尿管結石 (CMAJ 1971;105:811-5)
腎梗塞
胆道疾患, 虫垂炎 (右側の尿路結石)
精巣捻転, 婦人科疾患

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