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2013年11月20日水曜日

脳梗塞急性期の降圧療法

t-PAの適応となる脳梗塞例ではt-PA適応基準に則り, 収縮期血圧<180まで降圧する.
また, 著明に血圧が高い患者 >220/120でも降圧することが勧められている.

上記を満たさない患者において, 脳梗塞急性期の降圧はどうすべきか?
色々Studyがでている.

Stroke(ICH, Infarction)179名をLabetalol vs Lisinopril (トランデート®) vs Placeboで降圧(RCT, ITT) (Lancet Neurol 2009;8:48-56)
 目標はsBP 145-155mmHg, ΔsBP 15mmHg
 高血圧脳症, sBP>200は除外されている, 平均NIHSS score 9[5-16]
 低血圧による症状出現時は中止とする
 経口摂取可能ならば内服, 不可能ならば舌下 or IVで投与.

アウトカム;
Outcome
降圧群(n=113)
プラセボ群(n=59)
RR
2wk後の死亡, 完全依存
61%
59%
1.03[0.80-1.33]
72hr以内のNIHSS 4以上の増加
6%
5%
1.22[0.32-4.54]
24hr時点でのΔsBP
21[17-25]
11[5-17]
P=0.004
重大な副作用


0.91[0.69-1.12]


降圧をしたところでそれで神経予後が改善することも無いし, 死亡リスクが減少することもないが, 降圧をしても害になることもない, という結論.

SCAST; 脳梗塞, 出血患者2029名のDB-RCT.
 発症<30hrの脳梗塞例を対象とし, 
 Candesartan 4mg(D1), 16mg(D3-7) vs Placeobに割り付け, 予後を比較.

 当然血圧はCandesartan群で有意に低下するが, 6mo 心血管系イベントは有意差無し(12% vs 11%, HR1.09[0.84-1.41])
 他, 各Outcomeも有意差無し. むしろCandesartan群でStokeの進行リスクがあがる傾向(6% vs 4%, HR1.47[1.01-2.13]) 

 この文献でそれまでの11 trialsをまとめて, Meta-analysisもされていたが, 死亡, 予後への影響は有意差無し(HR 1.04[0.97-1.12])

そして今回発表されたCATIS trial (JAMA online first; Effects of Immediate Blood Pressure Reduction on Death and Major Disability in Patients With Acute Ischemic Stroke The CATIS Randomized Clinical Trial)
CATIS trial; 中国におけるSingle-blind RCT.
 脳梗塞発症48h以内で, sBP 140-220mmHgを満たす4071例を, 降圧群(24h以内に10-25%の降圧, 7d以内に<140/90を達成) vs 経過観察群(降圧薬を全て中止)に割り付け, 予後を比較.
 血圧>220/120の患者, t-PA使用群は除外.

母集団

アウトカム

神経学的予後, 死亡リスク, 脳梗塞再発, 血管イベントすべて両群で有意差無し.
 Subanalysisでも特に有意差のでる項目は無し.
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と, いうことで,
正直どちらでも良いという印象.
別に降圧してもしなくても, それで害になることも無い.

内服できそうならば降圧薬を再開, 開始したらいいのではないでしょうか。

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