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2013年9月27日金曜日

クラミジア感染症: Chlamydophila psittaci

C. psittaci感染症; Psittacosis

Infect Dis Clin N Am 24 (2010) 7–25
C. psittaciは主に鳥類, 動物に常在する細菌であり, ペットオーナーや, ペットショップ店員, 農業従事者, 食肉処理場, 食物加工場, 獣医の感染が多い.
 米国の1999-2006年でのPsittacosisの頻度は0.01/100000.
 無症候性や軽症例を含めるともっと多い可能性が高い.
 好発年齢は35-55yだが, 全年齢で発症し得る.
 鳥類での調査では5-8%でキャリアという報告がある. また, 鳥の糞便の90%でCp PCR陽性との報告もあり, 鳥類には高頻度で常在していると考えられる.
 接触歴の無い孤発性での発症もあり得る.
 ヒト-ヒト感染, 院内感染は稀であり, 隔離や予防的抗生剤投与は必要無し.

潜伏期間は5-21日間.
症状も無症候〜非特異的症状まで様々.
 他の細胞内寄生菌(Coxiella burnetii, brucella)と同様, 様々な臓器に感染し, 症状を来す.
 肺炎は軽度であることが多く, 早期には認めない
● 伝染性単核症様症状; 発熱, 咽頭痛, 肝脾腫, リンパ節腫大.
● Typhoidal form; 発熱, 悪寒, 徐脈, 脾腫.
● 非定型肺炎 といった症候を呈し, 様々な疾患との鑑別が必要

最も多い症状は発熱で50-100%.
 咳嗽は50-100%で認められるが, 通常晩期に多く, 初期には無い. 頭痛, 悪寒, 筋肉痛は30-70%. <50%の症状としては 発汗, 羞明, 耳鳴, 失調, 難聴, 食欲低下, 悪心, 嘔吐, 下痢, 便秘, 腹痛, 咽頭痛, 呼吸苦, 血痰等.
胸部XPでは80%で異常を認める. 片側性の浸潤影が大半.

症状, 所見頻度:

参考: C psittaci, C pneumoniae, M pneumoniae, L pneumophiliaでの症状の違い

Psittacosisの他の症状, 所見
Psittacosisによる心内膜炎
 C psittaciでは心内膜炎, 心筋炎, 心外膜炎なども来し得る. IEは稀だが, 培養陰性IEを生じる. 報告例は数例〜数十例程度.
Gestational psittacosis 
 胎盤炎や胎児への障害を来し, 凝固障害, 肺, 肝不全など多臓器不全を呈する.
Chronic follicular conjunctivitis 
 片側性のChronic follicular conjunctivitisを来す. 耳介前部のリンパ節腫脹, 点状表層角膜炎を認め, 他にCpの症状がなく, 結膜炎のみのこともある.
 10wk以上のDoxycycline投与で反応する.

Lymphomaとの関連性
 Ocular AMZ lymphomaとCp感染症の関連が示唆されている.(adnexal marginal zone) 
 イタリアと韓国では, 上記の組織のうち80%がPCRにてCp DNA陽性であった.
 Doxycycline投与によりリンパ腫が寛解するため, この評価は重要.

新規にOAMZLを診断された44名の検体でCp DNAをチェック.
J Clin Oncol 30:2988-2994
 陽性例が89%で, その全てがC. psittaci.
 陽性例39例中, 38例で結膜のスワブで陽性(97%)
 末梢血単核球では69%が陽性.
上記Part AのOAMZL全例でDoxycyclineによる除菌療法を施行.
 PCR陽性の29例中, 3ヶ月の投与で14例(48%)で除菌成功. 12ヶ月で11例で除菌成功. 3例の陽性例はさらに3ヶ月投与.
リンパ腫はCR 6例, PR 16例 (ORR 65%[49-81] ), Stableが11例, Progressiveが1例.
 Cp(+)で, 除菌成功した14例では, CR 2, PR 10, SD 2
 除菌失敗した15例では, CR 3, PR 4, SD 7, PD 1
 Cp(-)の2例では, PR 1,SD 1
 Cp除菌成功はResponse rate 86% vs 47%(p=0.02), 5年PFS 68% vs 47%(0.11)と予後改善効果が期待できる

C. psittaci感染症の診断
CDCのPsittacosisの診断定義は以下の通り
 呼吸器検体よりC psittaciが検出される.
 2wk空けたペア血清にて血清抗体価が4倍以上上昇し, 1:32以上まで上昇する (CF, microimmunofluorescence)
 単一のIgM titer 1:16以上となる(microimmunofluorescence)

培養検査; 
 C psittaciの培養はLevel 3のLaboratory isolationが必要であり, 培養検査が行われることは少ない

血清検査; CF, MIF, EIAが最も行われる検査.
 CFは最も古く, 20年以上前より行われている検査.(C. pneumoniaeが判明する前から)
 検出する抗体はLipopolysaccharideであり,  全てのChlamydiaに存在するため, 特異性は無い.
 MIF(FA)はCFよりも感度, 特異度に優れ, Gold standardとなっている. IgG, IgM, IgAを検出し, 特にIgMが強陽性となれば特異性を持ってC psittaci陽性と判断可能. ただし, 感度は19%のみ.
 EIA(ELISA)もCFと同じくLipopolysaccharideを検出するため,MIFと比べて特性は落ちる. 診断よりはスクリーニングに用いるべき検査.
日本でのクラミジア シッタシ 抗体はCF法.
 FA法(蛍光抗体法)によるIgM, IgGもあるが, 保険適応外となる. FAによるIgMは2400円程度.

PCR検査
 検査可能な場所が限られるが, 迅速で感度, 特異度とも優れる検査. 検体はBALが最も良いが, 血液や他の検体でも可能.

C. psittaci感染症の治療
抗生剤はDoxycycline. 治療反応性は良好で, 殆どの患者が48h以内に解熱
 重症例で経口投与が困難な場合は, DIVにてテトラサイクリン系を投与する.
 治療期間は14日間.
 Doxycycline以外はMinocyclineも効果が期待できるが, Tigecycline, glycylcyclineはデータ不足で不明.
 マクロライド系, FQも効果を期待できる.

心内膜炎でもDoxycyclineが1st line
 他に必要ならば手術治療となる. 治療期間はEvidence不十分で不明.

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