ドイツの173箇所のICUにおける前向きStudy.
(Clinical Infectious Diseases® 2016;62(7):871–8)
・市中感染の重症敗血症, 敗血症性ショック患者において, 脾摘既往の有無を評価し, 脾摘群 vs 非脾摘群で比較.
・脾摘後の市中重症敗血症, 敗血症性ショック患者 52例と非脾摘群52例を比較した.
1年間フォローできたのは脾摘群で44例, 非脾摘群で49例.
母集団の比較
・脾摘群ではよりBMIが低値.
・悪性腫瘍既往も多い.
・肺炎球菌ワクチンは脾摘群でも42%のみしかしていない.
原因菌の比較
・肺炎球菌感染症が脾摘群で有意に多い(42% vs 12%)
肺炎球菌感染のリスク因子
・脾摘は有意なリスク因子: RR 2.50[1.07-5.84]
感染症のフォーカス
・脾摘患者では菌血症リスクが有意に高い. 軟部組織感染は少ない.
・また電撃性紫斑病のリスクも高い
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脾摘後の患者ではやはり肺炎球菌による敗血症性ショック, 重症敗血症リスクが増大する.
感染フォーカスは原発性菌血症が増加し, 軟部組織感染はむしろ少ない.
また, 電撃性紫斑病リスクが上昇する.
大体が分かっていることであろうが, こういう前向きなデータは重要.