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2014年12月8日月曜日

脳梗塞: 画像診断

脳梗塞: 画像診断

Early CT sign
CTは出血, SAH, Massの評価も可能 ⇒ 1st choiceとなる検査
 しかしながら, 脳梗塞発症<24hrではCT上明らかでない場合が多い
MCA領域の梗塞(発症 6.4±3.6hr)では87%でEarly CT signs(+)

MCA領域のEarly CT Signs Neurology 1996;47:issue 2
Hyperdense MCA sign(HMCAS) (Kappa 1.0) SN 22%
 脳実質, どの脳血管よりもHighとなる, 石灰化ではない
Attenuation of Lentiform Nucleus(ALN) (Kappa 0.76) SN 48%
 レンズ核の濃度低下 ± レンズ核境界が不明瞭
 Grade 1; 境界判別可能, Grade 2; 不可能
Loss of the Insular Ribbon(LIR) (Kappa 0.68) SN 59%
 島の灰白質境界が不明瞭
 Grade 1; 軽度境界消失, Grade 2; 中等度境界消失

Hemispheric Sulcus Effacement(HSE) (Kappa 0.61) SN 69%
 Mass effect(+), 灰白質境界が不明瞭

 初期CTで全く異常ない例が6%
 ALN単独 ⇒ 90%で深部の病変
 HSE単独 ⇒ 83%で表面の病変
 LIR単独
 Total LIR ⇒ MCA広範囲の病変
 Partial LIR ⇒ 72%で表面の病変
 HMCASは梗塞部位との相関なし

MRI検査: 脳梗塞の5.8%が初期のDWIで陰性
発症24hr以内の脳梗塞例139名でDWIを評価. AJNR Am J Neuroradiol 21:1434–1440
 その内8名(5.8%)がDWI陰性. 48hr以降のフォローで陽性.
 橋梗塞が4例, 脳幹梗塞1例, 中心脳回 1例, 視床 1例, 中心回周辺 1例.
 後方循環で多く(19%), 前方循環は2%のみ.
 特に椎骨脳底動脈は31%と多い傾向.

ERにてStroke疑いの356名のProspective cohort. Lancet 2007; 369: 293–98
 内217名が最終的にStrokeと診断. CT, MRI検査の感度特異度を評価.
 脳梗塞が190名, 脳出血が27名.
脳梗塞経過時間Sn(%)Sp(%)
MRIAll83%[77-88]96%[92-99]

>12hr92%[83-97]97%[88-99]

3-12hr81%[69-90]99%[91-100]

<3hr73%[59-84]92%[78-98]
CTAll16%[12-23]98%[94-99]

>12hr16%[9-27]98%[90-100]

3-12hr20%[12-33]96%[87-99]

<3hr12%[5-24]100%[89-100]

 MRIでも全体で17%の偽陰性率.
 <3hrの早期では27%, 3-12hrで19%, >12hrでも8%の偽陰性がある.

特に脳幹梗塞, 小脳梗塞での小梗塞例(≤10mm)では来院時のMRI偽陰性率は53.3%, 大梗塞でも偽陰性率は7.8%ある. Neurology® 2014;83:169–173
 脳幹症状がある場合は初回のMRIで問題なくとも繰り返したり, Shin sliceで評価することが大事.

DWI-FLAIR mismatchと発症時間
症状出現から<12hrの脳梗塞患者543名のMRIを評価. Lancet Neurol 2011; 10: 978–86
 平均年齢66y[64.7-67.3], NIHSS 8[4-15].
 DWIで所見(+)は95%, FLAIRで所見(+)は50%
 DWIで所見(+), FLAIRで所見(-)をDWI-FLAIR mismatchと呼ぶ.
 脳梗塞発症時間とDWI-FLAIR mismatchの関係;
 脳梗塞発症から450分(7−8時間)経過するとDWI-FLAIR mismatchは殆ど認められない.
 Mismatchの存在とt−PAの適応(4.5h以内)にはなんら関連性はなく, t−PAの指標とはならない.